XMTradingは、アメリカ合衆国の居住者にサービスを提供していません。
極限の取引を。Visa Cash App Racing Bulls F1 Teamの誇り高きオフィシャルパートナー。詳細はこちら
• トランプ大統領、ブラジルなど他国に対する新たな関税措置を発表
• エヌビディアが時価総額4兆ドルを突破で米株高を牽引し、リスク回避の動きは控えめ
• FOMC議事要旨でハト派は少数と明らかになり7月利下げ観測後退、米ドルの支えに
• ビットコインが史上最高値を更新、112,000ドルに迫る

トランプ大統領は関税モード
相互関税に関する当初の期限であった7月9日が過ぎ、新たな貿易協定合意の兆しが見られないまま、すべての期待は現在、8月1日に設定された新たな期限にかかっています。EUは米国との貿易協定合意をまとめるべく急いでおり、EUにとって重要な産業である自動車関税の妥協点を見出すことに焦点を当てた、激しい協議が行われています。
日本も貿易交渉の行き詰まりを打開しようと必死に動いており、日本の交渉担当者はベッセント米財務長官との直接会談を設定しようと試みています。
しかし、トランプ大統領は今週、インドも加盟しているBRICSに対して激しい非難を浴びせたため、インドとの貿易協定合意は雲行きが怪しくなっています。
部門別関税も再び注目されており、トランプ大統領は昨日遅く、銅に対する50%の関税を8月1日に発効することを表明しました。
トランプ大統領の怒り矛先はブラジルに
しかし、銅への50%の関税発表のみが昨夜の唯一の動きではなく、トランプ大統領はブラジルに対して50%の関税を課すと脅すとともに、いくつかの小規模な貿易相手国に対してもそれより低い関税を課す構えを示しました。ブラジルは4月2日に発表された国別の相互関税リストには含まれておらず、代わりに10%の一律課税の対象となっていました。しかし、今回ブラジルに課された50%という高関税の方針が驚くべきものとして注目されるのは、米国は現在、ブラジルに対しては貿易黒字を計上しているという事実があるからです。
この決定は、純粋に貿易上の理由というよりも政治的な意図があるようで、トランプ大統領はブラジルのルラ大統領に対し、ボルソナロ前大統領に対する「魔女狩り」を止めるよう要求しています。
ボルソナロ前大統領を 「親友 」と見なしているトランプ大統領は、ボルソナロ氏が2022年の大統領選での敗北を覆すためのクーデター未遂容疑でブラジル検察から起訴されていることに不満を抱いています。しかし、ルラ大統領は一歩も引かず、対抗措置で応じると述べています。
トランプ大統領による今回の関税発表の対象となった他の国々として、イラク、リビア、アルジェリア、スリランカには30%の関税、ブルネイとモルドバには25%、フィリピンには20%の関税が課されることとなり、いずれも8月1日から適用されます。
トランプ関税への反応が鈍い中、米株価は概ねプラスに
しかし、ブラジル通貨のレアルが2%以上下落し、ブラジルの主要な株価指数がレアルに比べやや控えめに1.3%下落した以外は、他市場での反応は落ち着いています。ゴールドは2日連続で上昇していますが、これはむしろ米ドルの最近の反発が一服したことによるものと考えられます。
投資家たちはおそらく、こうした高関税率が恒久的なものになるとは考えていないでしょうが、それよりも重要なのは、EU、日本、インドといった主要な貿易相手国との間で、いずれにせよ何らかの合意が成立すると信じていることです。
そのため、昨日米株式市場がトランプ大統領の最新の関税脅威をはねのけ史上最高値を更新したことを受けて、本日の米株式市場も全般的に活気づいています。 しかし、史上最高値で取引を終えたのはナスダック総合指数のみで、ラッセル2000指数は貿易戦争が始まったばかりの2月下旬以来の高値となりました。
貿易面の不透明感が続いているほか、FRBによる積極的な利下げ観測も後退しているため、市場の警戒感が維持され、リスク資産の急騰を防いでいます。しかし、これはAI関連株には当てはまらないようで、エヌビディアは昨日、史上最高値の162.88ドルで取引を終えるなど、AI関連株を牽引しています。昨日の早い時間帯には、エヌビディア株は世界初となる時価総額4兆ドルの大台を一時的に突破しました。
米ドルは狭いレンジ内で取引、ビットコインは112,000ドルに近づく
FRBは昨日、6月のFOMC会合の議事要旨を公表し、最近FOMCメンバー内で意見の分裂が進んでいるとの憶測があったものの、多くの政策当局者らは年内後半にさらなる利下げを実施とするという意見で一致しているようです。米労働市場の下振れリスクや、米国のインフレ上振れリスクをより強く懸念するメンバーは今のところ少数派のようです。
米ドルは昨日、対主要通貨で約2週間ぶりの高値圏で推移しましたが、本日はやや軟調に推移しています。FOMC議事要旨の公表後、7月会合での利下げの可能性はほぼ消えたものの、2025年内の合計利下げ幅はほとんど変わっていません。本日後半の注目は米国の週間新規失業保険申請件数に集まるでしょう。
暗号資産市場では、機関投資家の強い需要の中、ビットコインが昨日、初めて112,000ドルの大台突破に近づきました。米株価の上昇も後押しとなったようです。全体的に見て、ビットコインは5月下旬以降レンジ内で推移しており、上昇トレンドへと転換するには、この重要水準を突破することが不可欠です。