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• 米債券市場の売り圧力続く中、ゴールドと米ドルの需要が持続
• 英国債利回りの急騰を受け、ポンドが再び下落
• Googleの法廷勝利が米株式市場の救世主に
• 昨日の米ISM製造業PMIが市場の値動きの乱高下を招く、次はJOLTS求人件数に注目

ゴールドが新たな史上最高値更新も、米ドル高が上値を抑制
火曜日の安全資産としての需要を巡り、ゴールドと米ドルが競合する動きは、水曜日も続きました。これは米債券市場での混乱が株式市場にも影響し、市場全体でボラティリティが急上昇したことが背景にあります。長期国債の売りの多くは、米経済成長が鈍化している中、持続不可能な借り入れに対する懸念によって引き起こされています。
英国とフランスは、両政府が財政の立て直しに苦戦していることから投資家から特に注目されています。両国が近い将来に赤字削減に向けた説得力のある計画を提示しない限り、現在抱かれている懸念が本格的な債務危機へと発展するリスクが現実のものとなりかもしれません。
しかし、市場はトランプ大統領による不透明な通商政策、FRBの政策決定への介入、米国最高裁が新たな関税の合法性に反対する判決を下す可能性など、数多くの不確実性に直面しています。一方で、スタグフレーションへの懸念も依然として根強く、リスクセンチメントを恒久的に圧迫し続けています。
第2次トランプ政権発足前から中央銀行の買い入れにより強い需要を享受していたゴールドにとって最新のリスク要因は、世界で最も人気のある安全資産としての魅力をさらに高めるものになっています。昨日の上昇は一時的に米ドル高に阻まれていましたが、現物価格は本日早朝、3546.90ドルという史上最高値を更新しました。現在、米ドルは対主要通貨で1週間ぶりの高値で取引されています。
ポンド、ユーロ、円が苦境に陥る
ポンドは本日も軟調な動きを続いていますが、セッション序盤に1か月ぶり安値の1.3330ドルを付けた後、安定の兆しを見せています。英30年債利回りは本日、27年ぶりの高値となる5.75%を記録した後、5.70%前後まで低下しました。11月下旬に予定されている英国政府の秋季予算案発表までは、ポンドにとって荒れた展開となりそうです。増税案が過剰な借り入れへの懸念を和らげるのに十分かどうかは、依然として不透明のままです。
ユーロは、ECBによる年内の追加利下げ観測が後退したことで、やや堅調な動きを見せています。ユーロにとっての主要なリスクは、来週月曜日にフランス議会で行われる信任投票です。フランス議員らは、438億ユーロの予算削減を含むバイル首相の予算案を承認するかどうかを決定しなければなりません。バイル首相の少数与党政権が崩壊し、再選挙となる場合、新政権が財政赤字削減策を支持しない可能性が懸念されています。
日本でも政治リスクが高まっています。与党自民党の森山幹事長が火曜日に辞任したことで、石破首相も今後数日の間に辞任を迫られるのではないかとの憶測が広がっています。円安は本日も進行し、対ドルで149円13銭と1カ月ぶりの安値を更新しました。日本の30年債利回りが史上最高となる3.29%に急騰したことは、殆ど円の下支え材料にはなっていません。
米労働市場が注目を集める
米債利回りも今週は上昇していますが、依然として直近高値を下回っています。昨日発表された予想を下回る米ISM製造業景況指数(PMI)で、特に8月の支払い価格指数が低下したことから、市場では9月のFRBによる利下げ観測が一段と強まりました。これが米国債に対する売り圧力をある程度抑える要因となった可能性があります。
本日の注目は7月のJOLTS求人件数に向けられています。減少が見られる場合、米労働市場の悪化が裏付けられることになります。とはいえ、今週の最大の焦点はやはり金曜日発表の非農業部門雇用者数(NFP)でしょう。市場では、再び軟調な結果となれば、FRBが今月後半に0.50%の利下げに踏み切る可能性があるとの憶測も囁かれています。その間にもトレーダーたちは、明日予定されているトランプ大統領が指名したFRB理事候補の上院での承認公聴会にも注目することになるでしょう。
株式市場ではリスク好選度改善の可能性も
昨日の米株式市場では、主要3指数全てが下落しましたが、本日のナスダックとS&P500の先物は上昇しています。これは、Googleの親会社であるアルファベットの株価が時間外取引で7%以上上昇していることが背景にあるとみられます。同社は、米地裁によるChromeブラウザやAndroidオペレーティングシステムの売却を求めないとの判決を受けて、大きな勝利を祝っています。Googleは依然として検索データを競合他社と共有する必要がありますが、投資家たちはこれを「小さな代償」と見なしているようです。
欧州株式も本日反発しており、リスク選好が改善の兆しを見せている可能性があるでしょう。