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• 重要な米経済指標の第一弾発表を控え、リスク選好度は依然として脆弱
• ゴールドと債利回りの上昇が投資家心理を動揺させる
• 本日のADP雇用統計と米ISM非製造業PMIが、FRBの0.50%利下げ観測を高めるか
• FRB関係者の発言が活発に、市場は本日のFRB理事候補ミラン氏の公聴会に注目

利回りとゴールドが注目を集める
9月は波乱の幕開けとなり、債利回りとゴールドが市場の注目を集めています。予想通り、欧州と日本の長期国債利回りは数年来の高水準に上昇し、財政政策の緩みやインフレ圧力の高まりが投資家に改めて意識されました。これは主に、関税が徐々に常態化しつつあることが要因です。
ほぼ同様の理由から、昨日ゴールドは史上最高値となる3,578ドルを記録しました。原稿執筆時点では下落しており、昨日の上昇分の大部分を失っていますが、上昇トレンドは依然として健在です。これは、米国のインフレ見通しに対する投資家の懸念や、トランプ大統領がFRBを掌握し、今後更なる金融緩和を促そうとする動きが続いていることへの懸念を反映しています。
FRBウォラー理事が「関税によってインフレは一時的に急上昇するも、それは永続的なものではない」と発言するなど、多くのFRB関係者が関税の影響について比較的冷静な姿勢を示しています。それにも関わらず、投資家たちは直近の米国のCPIやPCE指標から、依然として関税影響に懸念を抱いています。来週発表の8月の米CPIと2025年3月米雇用統計改定値は、9月16日と17日に開催の重要なFOMC会合を前にした最後の手掛かりとなりそうです。そのため、現在は本日および明日発表される労働市場データに焦点が移っています。
本日、重要な経済指標を控える
ユーロ/ドルはほぼ横ばいで推移しており、中国株に対し投機的な動きを抑えようと中国政府が動いているとの報道の中、株式市場は方向性を模索しています。そうした状況の下、本日の米国の週間新規失業保険申請件数、ADP雇用統計、ISM非製造業PMIに注目が集まっています。
ISM製造業PMIは、支払い価格指数は再び低下、新規受注指数は上昇も雇用は依然として縮小圏にとどまる等、まちまちの内容となりました。加えて、JOLTS求人件数も低調であったことから、新規失業保険申請件数は予想外の結果とはならないかもしれません。最近の新規失業保険申請件数は比較的安定していますが、この傾向が非農業部門雇用者数(NFP)の大幅な増加には反映されていません。一方で、本日発表のADP雇用統計は特に注目を集めそうです。というのも、投資家らはNFPのデータベースとなっている米雇用統計(CES)の信頼性に懐疑的になっているためです。ADP雇用統計は2025年6月には2010年以来初のマイナスとなった後、7月には10. 4万人の大幅な増加を記録しました。これを受けて、エコノミストたちは8月の民間雇用者数は6.5万人増加すると予想しています。
14:00(GMT)に発表予定の米ISM非製造業PMIは51まで上昇すると見られており、2024年11月から続いていた下降トレンドが一時停止する可能性を示しています。 特に注目されるのは、雇用サブ指数が50を下回る低下傾向を続けるのか、また、投入価格サブ指数がどこまで上昇するのかです。 もしこれが70を超えるような展開になれば、2022年以来の高水準となる可能性があります。
FRBの利下げ観測は、依然強固に支持される
市場では、9月17日のFOMC会合で0.25%の利下げが行われる確率は98%と織り込まれていますが、FOMCメンバー同士のせめぎ合いは続いています。FRBウォラー理事は公然と利下げを支持している一方で、セントルイス連銀ムサレム総裁やミネアポリス連銀カシュカリ総裁は、現在の持続的なインフレ率や、関税が物価上昇をさらに押し上げるリスクに焦点を当てています。興味深いことに、アトランタ連銀のボスティック総裁は、年内1回だけの0.25%利下げを支持する姿勢を崩しておらず、超ハト派と超タカ派の中間の立場を取っています。
9月6日(土)から通常の「ブラックアウト期間」が始まるため、FRB関係者の発言は、今後2日間でさらに活発になると予想されています。特に、今年の投票権を持つ、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁とシカゴ連銀のグールズビー総裁の本日遅くの発言に注目が集まるでしょう。
しかし、本日FRB関連で最も注目を集めることになりそうなのは、FRB理事候補のミラン氏の指名承認に関する上院での公聴会です。ミラン氏は、クーグラー理事の後任候補として指名されています。この公聴会は、14:00(GMT)に開始される予定で、米政権は10月29日のFOMC会合への参加を実現するため、10月中の承認を目指しているようです。