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・リスクセンチメント向上、米ドルにやや圧力
・ゴールドは上昇を維持、国債利回りは全体的に低下
・本日の非農業部門雇用者数によって、今月の米利下げ幅決定か
・本日の米雇用統計が大幅な上振れサプライズの場合、市場は好反応か

リスク選好度改善、株価上昇
波乱に満ちた9月の初めとなりましたが、S&P500が直近の最高値を更新するなど昨日の米株価指数は上昇し、リスク選好度は改善しました。また、ビットコインが11.1万ドルに再度到達し、仮想通貨も小幅上昇しました。
一方、米ドルは週の初めの上昇分を暫定的に還元し、ユーロ/ドルは現在1.1670を突破して上昇しており、ドル円も200日単純移動平均線が上限を制限しているため小幅下落となりました。
しかし、このリスク選好度の改善にもかかわらず、投資家のほとんどは依然として慎重であるようです。 ゴールドは今週の上昇分のほとんどを維持しており、現在3,550ドル付近で推移しています。この強気トレンドは、ドル安とFRBが今後金融政策を緩和していくとの期待から恩恵を受けた可能性があります。注目すべき案件としては、昨日のFRBのクーグラー理事の後任としてミラン氏が任命された公聴会にて、トランプ大統領によるFRB執行部選出の基準が焦点となったことです。
本日の米雇用統計に注目
ISM製造業PMI調査がまちまちとなり、ADPによる非農業部門雇用者数が5万3千件と顕著に低下し、米チャレンジャー社による膨大な人員削減とISMサービス業PMIの予想外の上振れを受けて、本日の焦点は米雇用統計になります。
8月初旬の非農業部門雇用者数(NFP)と下方修正がFRBの政策転換となったことから、本日発表の8月非農業部門雇用者数が7万5千件の増加になると予想されています。失業率は4.3%に若干上昇すると予想されており、この水準は長期平均を下回っているものの、平均取得の伸びが3.7%に減速すると見られています。
昨日のISMサービス業PMI調査が予想を上回ったことへの市場の反応と全体的な報道の内容を鑑みると、投資家は本日の雇用統計が軟化すると予想していることは明らかです。この見解には、ADPによる低調な非農業部門雇用者数に基づいていますが、民間企業による雇用者件数は公の雇用統計速報値を予測するにはあまり相関性がないことも注意すべき点でしょう。
しかし、本日の非農業部門雇用者数が10万件以上増加するか、または8月の雇用者数が大幅に上方修正される場合、株式市場が最も下落し、米ドルが上昇する可能性が高く、深刻なリスクオフの反応となるかもしれません。この見通しの可能性は低いものの、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁らが現時点ではそれほど見解を明らかにしていないにもかかわらず、FRBが17日に利下げを決定する可能性が高いでしょう。
FRBによる今月の利下げは確実視か
多くのFRBメンバーが利下げ決定に賛成しているものの、実際には利下げ決定がトランプ大統領からの政治的圧力の結果であり、また米経済の見通しについて心底懸念している兆候であると受け止められることに憂慮しています。米経済の見通しへの懸念については、2週間後に0.50%の利下げを行うとの選択肢がたとえ米経済データで裏付けされるとしても、FRBとしては避ける主な理由となる可能性があります。
また、本日はFRB関係者による講演が予定されていないものの、特に本日の雇用統計が大幅利下げを正当化する場合、明日の6日から始まるブラックアウト期間を前に最後にメッセージを残したいと考える関係者がいる可能性が高いことにも注意が必要でしょう。
トランプ大統領は関税問題に最着手
トランプ大統領は関税問題を優先しており、「かなり大幅な」半導体への関税が「まもなく」発表されると述べました。一方、2020年7月1日に第1期トランプ政権によって発効した米国・メキシコ・カナダ協定を再交渉する準備を進めています。少なくとも、日米貿易協定がやっと明確となり、日本からの全ての輸入品に対して15%の関税が課せられることになりました。