XMTradingは、アメリカ合衆国の居住者にサービスを提供していません。
極限の取引を。Visa Cash App Racing Bulls F1 Teamの誇り高きオフィシャルパートナー。詳細はこちら
・軟調な米雇用統計でFRBによる大幅利下げもあるか
・米ドルと米株価は本日下落基調でサポート模索
・石破首相の辞意表明を受けて円安
・ドル安と地政学の緊張を背景にゴールドと原油価格は上昇

先週の米雇用統計で今月の利下げは確実視
先週の金曜日の米雇用統計は、一連の米労働市場に関する経済データが軟調になるとの市場の予想通りを裏付けました。非農業部門雇用者数は2万2千件の増加にとどまり、2010半ば以来初めて4か月連続で10万件以下の増加となりました。これで、17日のFOMC会合での0.25%の利下げが確実となり、大幅利下げへの可能性も出てきました。
金曜日の閉場間際の買い注文にもかかわらず、おそらく米経済が急激に減速しているとの懸念からか、 米株式市場は軟調となった米雇用統計からの恩恵を享受できませんでした。先週のナスダック100の上昇はわずか1%となり、株式投資家の不安な心情を反映しました。暗号資産市場の見通しはもっと明るく、イーサリウムを除く主要仮想通貨は先週上昇となりました。
今週の米経済イベントで今月の利下げ幅が決定か
先週の米経済データ、主に雇用統計によって、投資銀行はFRBの利下げ観測を修正することになりました。主要投資銀行の中には今年中に3回の0.25%の利下げを予想する銀行もあり、少数派ですが10日後のFOMC会合での0.50%の大幅利下げを予想する銀行もあります。
現段階では、0.50%の利下げへのハードルは高く設定されているようですが、今週の重要な2つの経済イベントによっては大幅利下げに傾く可能性もあります。まずは、今週火曜日の労働統計局による雇用暫定修正が今年のこれまでの非農業部門雇用者数の合計である62万5千件増加から大幅に下方修正される可能性があります。また、木曜日に発表される8月の米CPI指数も重要です。つまり、雇用機会の創出が大幅に減少しており、また関税が物価上昇圧力とはなっていないとの証拠となる場合、来週のFOMC会合での金利政策決定に極めて重要となる可能性があります。
さらに、FOMC会合前の通常のブラックアウト期間が6日の土曜日から始まっており、市場はFRBメンバーによる見解を問う場もありません。
本日は政治的リスクにも脚光
日本では、今年第2四半期のGDPが好調となったものの、石破首相による辞意表明を受け止めています。参議院と衆議院両院で過半数を獲得できなかったことが石破首相辞任への決定打となりました。自民党の総裁選は10月4日に予定されており、市場は日銀による今年の追加利上げ観測を後退させました。今週の日本円は下落でスタートしましたが、同時に今後の財政スタンスが緩和となる可能性を好材料としたためか、日本の株価指数は上昇しています。
ユーロ圏では、フランス政権が本日崩壊すると見られています。大きなサプライズがない限り、バイル首相は最新の予算案に関する信任投票で負けると予想されており、マクロン大統領は再度他の選択肢を選ばざるを得なります。報道によると、マクロン大統領は社会党に支持を求めるのではないかと言われていますが、ルペン氏率いる国民連合と左派の新人民戦線が議会で320以上の議席を占めており、マクロン大統領の試みが実を結ばない可能性があります。しかし、まちまちの報道にもかかわらず、先週のユーロ/ドルは黒字で終わり、本日も小幅上昇していることも注目でしょう。
地政学の影響でゴールドと原油価格は上昇
トランプ大統領は再度ロシアに対しての発言を強めており、中国がゴールドの保有率を増加させていることもあり、ゴールドは最高値を更新した後、現在は3,600ドルをわずかに下回って推移しています。FRBによる大幅緩和政策の見通しとウクライナ・ロシア紛争、イスラエル・ハマス紛争が終戦に向けて大きな進展を見せていないこともゴールドを押し上げています。
一方、OPECプラスが10月に日量13.7万バレルに増産するとのサウジアラビアの提案を受け入れました。しかし、米国によるロシアへのさらなる制裁の見通しが焦点となっているため、原油価格にはこの供給増産のニュースが反映されず、本日は63ドルに向かって上昇しています。