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デイリーコメントーFRB利下げ観測後退もゴールドが上昇して最高値更新

・米国債利回りが反発する中、FRBタカ派による発言で米ドル安定
・今後の不確実性のため、ゴールドも上昇して新たに最高値更新
・今後のFRB金利経路への手掛かり求め、本日のFRB議長の講演に注目
・ハイテク株上昇で米株価も最高値更新まで上昇

FRBタカ派により利下げ観測後退

昨日の米株式市場は、ハイテク株上昇を背景に3日連続で最高値を更新したため、引き続き活況に満ちたセッションとなりました。米ドルは直近の上昇分の一部を還元しましたが、本日のFRBパウエル議長による講演を前に警戒感が広がる中、本日の米ドルはやや安定しています。先週のFOMC会合にて、FRBが緩和サイクルが再開したことを受けて広く前向きなセンチメントとなっているものの、安全資産であるゴールドは最高値を更新して上昇しています。

米インフレが引き続き高止まりし、先週の失業保険申請件数が予想を大幅に下回ったことで、労働市場が崖っぷちに向かっているとの懸念が緩和したため、投資家の多くはFRBが来年どれほど大幅に利下げを行うのかについて再検討し始めています。さらに重要なことに、FRBは来年の利下げをたった1回しか織り込んでおらず、緩和政策が来年まで継続されるとは考えていないことです。

しかし、トランプ関税によるインフレと世界経済への影響を巡っての不確実性を考慮すると、見通しが容易に変化する可能性があります。したがって、今年3度目の利下げが行われる確率がたった70％しか織り込まれていない現在、今後の連続利下げの可能性への手掛かりについて、投資家は本日のパウエル議長の発言に注目することになるでしょう。

トレーダーは、金曜日の米PCEインフレデータについても注目しており、このデータが上振れサプライズとなる場合は利下げ観測が後退し、下振れサプライズとなる場合は利下げ観測が高まる可能性があります。

昨日の米株価上昇はハイテク株が牽引

その間、エヌビディアとオラクルへの前向きなニュースが米株式市場上昇の勢いを維持しており、主要３指数は最高値を更新して終えました。エヌビディアがChatGPTを展開するOpenAIに1,000億ドルの投資をすると発表した後エヌビディア株が急騰し、一方で、米政府がtiktokの親会社であるバイトダンスとtiktokの米事業について中国との交渉を試みる中、オラクルがtiktokのアリゴリズムを管理するとの報道により、オラクル株も上昇しました。

テスラ株も上昇しましたが、米株価先物は本日横ばいとなっており、株価上昇の勢いが失われつつあることが示唆されています。しかし本日、ユーロ圏のPMI調査がまちまちとなったにもかかわらず、米国以外の株式市場は概ね黒字となっています。

本日のPMI調査では明確な見通し見えず、ユーロとポンドは方向性欠く

本日のPMI調査では、フランスのサービス業と製造業が9月に縮小圏へ低下したものの、ドイツのサービス業が予想外に回復したことが明らかとなりましたが、ユーロにはほとんど影響はありませんでした。

しかし、イギリスのPMI調査が予想を大幅に下回ったことから、ポンドは小幅下落となりました。米PMI調査もまた本日後半に発表されますが、米ドルは日本円に対しては苦戦しているようですが、全体的には堅調に推移しています。

先週のFOMC会合後に米国債利回りが反発しましたが、現在は横ばいとなっており、パウエル議長が本日改めてタカ派とならない限り、米ドル下落のリスクがあります。

全体としては、FRBの理事として超ハト派であるミラン氏が任命された後でさえも、投資家はFRBが現在のスタンスを大きく変えるとは見ていません。昨日、ミラン理事はフェデラルファンド金利は2％（200ベーシスポイント）低い水準であるべきと述べました。ミラン理事の見解は、今後の利下げの余地が限られていると示唆した他のFRBメンバーの見解とは対照的で、セントルイス連銀ムサレム総裁やアトランタ連銀ボスティック総裁、そしてクリーブランド連銀ハマック総裁らがこの見解を明らかにしています。

ゴールドは最高値更新、仮想通貨も本日は安定

しかし、ゴールドは引き続き最高値を更新して、欧州取引時間中に3,775ドルを若干下回った水準まで上昇しています。米議会が新たな予算案を可決する期限である9月30日が近づく中、政府機関閉鎖のリスクがゴールド上昇のサポートとなっている可能性があります。しかし、トランプ大統領が民主党のジェフリーズ下院院内総務とシューマー上院院内総務と会談する予定である木曜日まで市場には大きく影響する可能性が低いでしょう。

昨日、暗号資産市場が強気ポジション清算のため、ビットコインが2％以上、イーサリウムも6.6％と予想外に下落したことを受けて、本日の仮想通貨は堅調に推移しています。