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• FRBメンバーのハト派的発言にも関わらず、リスク市場は依然として不安定
• 米ドルは下落、円は政治的混乱の影響を受けず、急騰
• 関税をめぐる混乱は続く可能性、米政府閉鎖の進展はほぼなし
• ゴールドの上昇は継続、原油市場は警戒感を示す

米ドル安が再び
米ドルは比較的変動が大きいものの好調だった期間の後、ユーロ/ドルが1.1500の水準を再度試すことに失敗し、再び米ドル安となっています。先週金曜日以降に見られたリスクオフ反応は、米ドルを一時的に押し上げましたが、依然としてリスク市場が不安定であるにもかかわらず、この影響はすぐに消えてしまいました。
注目すべきは、現在の外国為替市場で最も大きな動きが見られるのはクロス円(米ドル以外の通貨と日本円のペア)であることです。与党・自民党の新しい総裁である高市氏が次期首相になる可能性が低下していることが、ドル/円の継続的な下押し要因となっており、日銀も裏で何らかの行動を取っており、この円高回復を後押ししています。
10月のFRB利下げはほぼ確実か
今回の米ドル安の主な理由の一つとして、おそらく昨日のFRBメンバーの発言、特にパウエルFRB議長の発言があると考えられます。パウエル議長は、9月の利下げ決定の要因となった、米労働市場の下振れリスクの高まりを強調しました。パウエル議長は、「関税の影響がゆっくりと波及することにより、それが持続的なインフレのように見えてくるリスクがある」と述べたものの、依然として市場は、現時点での10月29日からの会合での利下げをかなり確実視しており、その確率は96%とされています。
興味深いことに、ボストン連銀のコリンズ総裁もインフレへの懸念が根強いことを強調し、「インフレは依然として私の最大の考慮事項だ」とまで発言し、これが10月下旬のFOMC会合に向けた布石となり得る可能性もあるでしょう。具体的には、米労働市場の弱体化を受けた利下げという形をとりながらも、インフレに関して多くの警戒感を残すもので、こうした姿勢は、ジャクソンホール会議以降、FRBが一貫して取っている基本的なスタンスとも一致しています。
本日もさらなるFRBメンバーの発言が予定されており、ミランFRB理事とウォラーFRB理事は、ハト派的な姿勢を引き継ぐ可能性が高いと見られています。特にウォラー理事が、自身が次期FRB議長の最有力候補としてエコノミストに選ばれた新聞調査結果に言及するかどうかにも注目されます。一方で、カンザスシティ連銀のシュミッド総裁は、こうしたハト派的な発言を和らげようと試み、次回FOMC会合でタカ派が主張すると予想される論点を提示する可能性があります。
リスク市場は依然として脆弱
一方で、米株式指数は昨日、当初の下落を抑えることに成功し、伝統的なダウ平均株価は昨日の取引をプラス圏で終えました。とはいえ、市場のセンチメントは、ハト派的なFRBメンバーの発言や、現在の決算シーズンがまずまずの出だしであるにもかかわらず、依然として脆弱なままです。
特に、米中間で現在起きているレアアース規制をめぐる対立は、今後もしばらく続く見通しです。両国による強硬な発言は、現在の意見の相違が高官級会談にて解消されるまで、今後数回の会合にわたり続くと予想されています。米国当局は、最新の中国のCPIでも確認された、継続した低調な中国経済を利用しようとしているようです。中国の総合CPIは、すでに3年連続で前年比マイナス圏推移となっていますが、コアCPIは1%上昇し、最近の中国経済指標の中では数少ない明るい材料となっています。
注目すべきは、2025年第3四半期のGDP報告が来週、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が開催される中、発表される予定であることです。4中全会では、さらなる景気支援策や中国人民銀行による金融緩和姿勢が打ち出される可能性もあり、最優遇貸出金利(LPR)の引き下げも視野に入っているようです。
ゴールドは上昇、原油は安定を目指す
現在の米ドル安、低迷する中国経済の継続、そしてイスラエルとハマスの脆弱な停戦合意に関する報道が、ゴールド上昇の追い風となっています。ゴールドは、昨日の厳しいセッションをすぐに乗り越え、現在は4,200ドルの水準に近づいています。
ただし、原油についてはまったく逆の状況となっています。OPECプラス同盟国による相次ぐ増産と、世界経済成長が伸び悩んでいることを受け、原油価格は5月以来の低水準で推移しています。もっとも、当時の下落要因は、トランプ大統領による報復関税が景気見通しに対する不安を市場に引き起こしたことでした。現在の原油市場におけるセンチメントは悲観的すぎるのでしょうか?それとも、世界経済の成長は現状認識されているよりもはるかに弱いのでしょうか?あるいは、原油トレーダーたちは、ウクライナとロシアの紛争において、近いうちに前向きな進展があると織り込んでいるのでしょうか?