デイリーコメントー米中貿易協定合意への期待からリスク選好度改善

投稿日: 2025年10月27日19時50分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・予想を下回る米CPI指数と好調な決算報告で米株価は新最高値更新
・アジア株と米株価先物は米中貿易協定への期待から上昇
・今週は米中首脳会談、中銀の金利政策会合決定と大手ハイテク社の決算報告に注目
・リスク連動通貨は上昇、安全資産からの資産流出でゴールド下落

各方面の進展でリスクオン取引が加速

先週の金曜日、米株式市場の主要3指数はハイテク株の多いナスダックが上昇を牽引する形で、全て新最高値を更新しました。アジア株と米株価先物も本日は黒字となり、リスクセンチメントが改善していることが示唆されています。この株価上昇には、金曜日の米CPI指数が予想を下回ったこと、好調な決算報告、そして週末の米中間の貿易交渉の前向きな進展が要因となっています。

米CPI指数で関税によるインフレ加速への懸念緩和

米CPI指数は、総合CPI指数が前年比で2.9%から3.0%上昇しましたが、コアCPI指数は予想の3.1%に届かず、3.1%から3.0%に減速しました。両指数ともに、FRBの目標とする2.0%を大幅に上回る水準ですが、トランプ大統領による関税政策によるインフレが抑制不可能に加速するとの懸念は後退しました。したがって、市場はFRBの今後の方針に関してハト派的観測を維持しています。

FF金利先物によると、FRBが今年あと2回のFOMC会合ごとに0.25%の利下げを行うと市場は確信しており、FRBが来年はたった1度の0.25%の利下げを示唆しているにもかかわらず、市場は依然として来年ほぼ3回の利下げがあると予想しています。

FRBは今週の水曜日に金利政策を決定する予定で、利下げが完全に織り込まれています。そのため、焦点はフォーワードガイダンスとパウエル議長の記者会見となるでしょう。

米中閣僚級協議で貿易枠組みに合意、今週の米中首脳会談に注目

昨日の米中閣僚級協議では、トランプ大統領と習国家主席が今週後半に会談する内容となる貿易協定の枠組みに合意しました。

ベッセント財務長官はマレーシアにて、中国からの輸出品への100%の追加関税の可能性を否定し、中国がレアアース輸出規制を1年後に延期することに同意し、政策も再検討されると言及しました。しかし、中国当局者は米国との会談内容については、ほとんど情報を提供しないほど慎重でした。

市場は現在、韓国でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の傍らで行われる木曜日のトランプ大統領と習国家主席による首脳会談について、合意締結となるか見極めるために心待ちにしているかもしれません。

今週は主要中銀の金利政策決定と大手ハイテク社の決算報告に注目

米中首脳会談とFOMC会合以外では、今週他に3つの主要中央銀行による金利政策決定が予定されています。カナダ銀行は水曜日のFOMC会合の数時間前に利下げを決定すると見られており、ECBと日銀は金利を据え置くと見られています。

ECBが今後いつかの時点で利下げを行う計画があるかどうか、そして、特に高市首相が任命されたことを受けて、日銀はいつ利上げ行うのが適切であるかについて議論が行われるのかが焦点となりそうです。

さらに市場はこれらの主要中銀による政策決定だけでなく、マイクロソフト、アルファベット、メタ、アップル、アマゾンといった大手ハイテク社による決算報告も予定されています。

S&P500では、140社以上企業が既に決算を発表しており、そのうち87%の企業の業績が予想を上回っていることから、 アナリストは10月1日の総収益成長率予想を前年比で8.8%から10.4%に上方修正しました。好調な決算報告が続く場合は、米政府機関の閉鎖が27日目に突入したにもかかわらず、米株価がさらに上昇する可能性があります。

米中貿易協定への進展からリスク連動通貨上昇、ゴールド下落

為替市場では、リスク連動通貨である豪ドルとNZドル、そしてカナダドルが本日は上昇しており、豪ドルは特に大きな上昇幅で今週をスタートし、最も上昇した通貨となっています。

一方、ゴールドは安全資産からの流出により、4,060ドルを下回り、弱気派は8月22日の安値から引かれた上昇トレンドラインを下回る終値を準備しているようです。テクニカル面では、この動きでさらに弱気派が行動に移す可能性があり、10月10日に更新した3,950ドルの安値に向かって下落するかもしれません。