デイリーコメント – FOMC会合と米ハイテク決算を控え株価は新最高値更新、円は反落

投稿日: 2025年10月29日21時01分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

• 米中貿易合意への期待とAIブームで、世界の株価が新高値を更新
• 内部対立の中、FOMC会合にも注目、決定を控えゴールドは反発
• トランプ大統領の貿易協議中断により、加中銀は利下げの見込み
• 円の反発は失速し、米ドルは堅調、ポンドは再び下落も、豪ドルは上昇

貿易協議とAIブームが株式市場を押し上げる

米中間の貿易摩擦が解消に近づいているとの楽観論や、今週、米ハイテク大手企業が好決算を発表するとの見方が、本日の株式市場を押し上げています。米中両国の交渉担当者は、明日予定されている米中首脳会談を前に、米中間の緊迫した貿易関係を修復すべく、懸命に協議を進めています。

実質的な枠組みにはすでに合意しており、トランプ大統領と習近平国家主席が、韓国で開催されるAPEC首脳会議の場で正式に署名するのではないかとの期待が高まっています。両首脳が対面で直接会談を行うのは、2019年以来初めてのことです。

この首脳会談を前に、すべての懸案事項が解決に向かっているとの見方が日々増しています。中国はレアアース(希土類)の新たな輸出規制の導入延期に同意し、さらに米国産大豆の購入を再開したと報じています。こうした動きはトランプ大統領を満足させたようで、中国が米国への合成麻薬フェンタニルの流入を阻止しなかったことへの報復として課していた、全中国製品に対する20%の関税を引き下げる用意があることを示唆しています。

好決算への高い期待の中、米ハイテク企業の決算に注目が集まる

テック関連やAI分野からの相次ぐニュースが、さらに市場の前向きムードを後押し、これらが株式相場の上昇に拍車をかけています。

昨日、新型「iPhone 17」シリーズの販売が好調であるという兆しを受け、アップルの時価総額は一時4兆ドルを突破しました。マイクロソフトも、新たな公益重視型法人「オープンAIグループ」に27%出資することが明らかになったことを受け、同社の株価は史上最高値で取引を終えました。この出資比率は、再編後の非営利組織「オープンAI財団」が保有する26%を上回るもので、ChatGPTの開発元が営利企業へと移行したことを背景とした動きです。

その間、エヌビディアは、フアンCEOが、AIチップの受注総額が5,000億ドル相当に上ると明らかにしたことから急騰し、史上最高値を更新しました。

マイクロソフトは本日の市場閉場後にアルファべット、メタとともに最新の決算を発表する予定のため、本日も注目を集める見込みとなっています。

昨日、米主要3指数すべてが史上最高値を更新し取引を終えたことを受け、本日の米先物はまちまちの動きを見せています。その他の市場では、英国のFTSE100は5日連続で最高値を更新し、中国株も大幅高で取引を終えました。一方で、日経平均株価は初めて5万1000円台を超え、取引を終えました。

ベッセント米財務長官は、日銀による利上げを要求

今週、トランプ大統領の訪日中に、レアアースを含む貿易協定が署名されたことで、近いうちに関税が引き上げられるリスクが大幅に低下し、これが日本の株式市場の好材料となっています。また、米国が日本への安全保障を縮小するのではなく、むしろ強化していることも市場の安心材料となっているようです。

しかし、新日本政府の金融政策や為替に対する姿勢にはいくらか摩擦があるうようです。米ベッセント財務長官は、円高を促すため、日銀がより積極的に利上げを行うべく「政策余地」を与えるよう、高市政権に圧力をかけているようです。

米ドルは昨日、一時152円を下回ったものの、その後わずかに持ち直しました。片山財務大臣による財政規律の必要性に関する発言も、持続不可能な日本の財政赤字への懸念の中、円を支える要因となりました。

本日のFOMC会合の決定はどの程度ハト派となるか

しかし本日、FRBが非常にハト派的な姿勢を示し、かつ日銀が明日の会合での利上げを強く示唆しない限り、円が本格的な反発を見せるのは現時点では難しいでしょう。

FRBが18:00(GMT) に発表する最新の政策決定が投資家の非常にハト派的な期待を裏切るリスクはあります。9月の利下げサイクル再開後から、2回目となる0.25%の利下げはほぼ確実と見られているものの、FRB内で意見の相違が拡大している中、パウエル議長は12月の利下げに関する政策当局者の見解についてあまり言及しない可能性があります。

それでも、FRBが量的引き締めを終了する決断を下す場合、それだけでも市場を支えるのには十分かもしれません。

加中銀が利下げ実施の見通し、投資家は豪中銀の利下げ観測を排除

本日はカナダ中銀も利下げを行うと予想されており、米加間の貿易交渉が再び行き詰まったことを受け、恐らく今後の追加緩和の可能性を示唆すると考えられます。トランプ大統領は「しばらくの間」は貿易交渉再開の予定はないと述べています。

しかし、貿易摩擦が再燃しているにもかかわらず、カナダドルはここ数日、最近の原油価格の急騰に支えられているようで、小幅ながら上昇を続けています。

豪中銀は次回の政策会合で利下げ実施の可能性が低くなっている中央銀行の一つとなっています。オーストラリアの9月のインフレ率は前年比で3.5%に急上昇し、豪中銀が注視している基調的な指標も第3四半期に予想を上回る上昇を示しました。投資家が来週の会合での0.25%利下げ観測を排除したことにより、豪ドルは本日、対米ドルで最も好調パフォーマンスとなっています。

ポンドは苦戦、ゴールドは回復を試みる

一方、ポンドは依然として下落圧力にさらされており、8月1日以来の安値に落ち込んだ後、1.32ドルの水準を維持するのに苦戦しています。

先週発表された英国の消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことや、来月発表される秋季予算で新たな増税が行われるとの兆候を受け、投資家はイングランド銀行による年末の利下げ観測を強めています。

意外にも、ゴールドは本日回復を見せ、ほぼ2%上昇しています。ゴールドは貿易楽観論を背景に、先週の史上最高値から10%以上下落しましたが、本日の反発が長期的な調整が起こる可能性が低いことを示唆しています。