デイリーコメント – FRBの12月利下げ観測の高まりで米ドル下落

投稿日: 2025年11月26日20時19分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

• 米PPIと小売売上高の結果を受け、12月利下げ観測が 76% に上昇
• ポンド市場は、英秋季予算案の発表を待ち望む
• 円は為替介入に警戒、NZドルはNZ中銀が「利下げサイクル終了」を示唆し上昇
• 米株式市場はハト派的なFRB利下げ観測を好感し上昇、ウクライナ和平案合意との報道を受け、原油は下落

12月のFRB利下げ観測が高まる

米ドルは昨日、主要通貨全てに対して下落し、本日も円を除く全ての通貨に対して続落となり、円に対しては反発しました。

昨日発表された米経済指標は再び予想を下回ったため、FRBが12月に利下げを行う確率は76%へ上昇しました。これにより投資家は、2026年を通して合計約0.75%の利下げを織り込み続けています。

米生産者物価指数(PPI)では、9月の総合指数は予想通り前年比2.7%に据え置かれた一方で、コア指数は予想以上に低下し、2.9%から2.6%へとなりました。また、9月の総合及びコア米小売売上高はともに、予想以上に減速しました。

さらに、ブルームバーグの報道によると、次期FRB議長の候補として、ハセット国家経済会議(NEC)委員長がトランプ大統領の中で最有力である可能性があるといいます。ハセット氏は、金利に関してトランプ大統領と同じ見解を共有していることでよく知られており、これが米ドル安のもう一つの要因となったかもしれません。ベッセント米財務長官は、トランプ大統領がクリスマス前に指名を発表する可能性があるとの見通しを示しました。

前回のFOMC会合での決定において、パウエル議長は12月の3会合連続となる利下げに反対する姿勢を示していました。しかし、米政府機関閉鎖の影響で公表が遅れた9月の雇用統計で明らかになった脆弱な労働市場に加え、FRB当局者、特に影響力のあるニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の発言から、12月の利下げが最も有力なシナリオとなっています。

とはいえ、市場のハト派的な姿勢には、いくつか上振れリスクもあるかもしれません。米政府機関の閉鎖により経済指標の公表日程が乱れたため、政府公式の第3四半期GDPの発表は日程が変更されたものの、アトランタ連銀のGDPNowモデルは4.2%の堅調な前四半期比年率成長率を示していました。また、昨日発表された初回の第4四半期推計値は4.0%へのわずかな減速を示すに留まりました。

したがって、米国経済の底堅さがFRB当局者らを説得し、12月の利下げを見送るを決断させる場合、米ドルは力強く反発する可能性が高いでしょう。

英予算案に注目、NZドルはNZ中銀のタカ派的な利下げを受け上昇

英国では、ポンドトレーダーたちはリーブス英財務相による秋季予算案発表に注目を集めることになりそうです。英政府が歳出削減に消極的であることを踏まえると、リーブス財務相がどのように財政赤字を埋めるつもりなのかには、多くの疑問が生じています。増税が唯一の選択肢とみられていますが、どの税目をどの程度増税するのかは依然として不透明のままです。

もし投資家がこの予算案を成長をもたらせないものと解釈した場合、イングランド銀行がさらにハト派的になるとの期待から、ポンドは圧力を受ける可能性があるでしょう。

円相場も、日本当局による為替介入のリスクが高まっているため、緊張状態にあります。明日は米国の感謝祭により米市場が休場となり、市場の流動性が低くなるため、より大きな影響を狙える状況となります。

NZドルは、NZ中銀が0.25%利下げを決定したことに加え、景気回復の兆しがみられることから、今回で利下げサイクルの終了を示唆したことが追い風となり、主要通貨の中で最も上昇しました。

米株価は利下げ観測の高まりで上昇、原油はウクライナが和平案に合意との報道を受け下落

米PPIと小売売上高のデータにより、FRBの12月の0.25%利下げ観測が高まったため、米株式では主要3指数すべてが昨日の取引を上昇して終えました。ダウ平均株価が最も大きく上昇した一方で、ハイテク株の弱さ、特に米半導体大手のエヌビディアの下落がナスダックの上昇幅を抑える結果となりました。依然として、過熱したAI株のバリュエーションが投資家にとって懸念材料となっているようです。

ゴールドは月曜日の力強い反発の後、昨日の取引はほぼ横ばいで終えましたが、本日は再び上昇しています。これは、FRBの利下げ観測の高まりで、ゴールドを保有する機会費用が低下しているためです。

原油価格は、ウクライナが米国から提示された新たな和平案の条件に合意したと米国のABCニュースが報じた後、下落しました。しかし、WTI原油は依然として55.60~56.60ドルの重要なサポートゾーンを上回って推移しており、ロシアがこの修正案にどのように反応するかが不透明であることが、背景にあると考えられます。