デイリーコメントー暗号資産急落で市場は慎重姿勢

投稿日: 2025年12月1日19時45分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・来週のFOMC会合へのカウントダウン開始でリスク選好度が試される
・暗号資産急落で先週の上昇分が帳消し
・FRBはブラックアウト期間、焦点は今週の米経済データに
・原油価格とゴールドは上昇、米ドルは全般的に下落基調

リスク資産は下落で今週スタート

投資家の中には、感謝祭後のラリーを有名なサンタクロースラリーのスタートとしてとらえる向きもありますが、米感謝祭休暇後となる12月初めのリスク資産は下落基調となっています。米株式先物は赤字で、暗号通貨市場もまたネガティブな見出しとなっています。ビットコインとイーサはともにアジア市場の前半に下落し、それぞれ11月下旬に更新した91.780ドルと3,022ドルから下落しました。

リスク資産が下落となった背景にはいくつかの原因が考えられます。アナリストの中には、先週水曜日に、S&Pグローバルの格付け機関が、特に混乱時での価格安定への懸念が高まっているとし、USDT(テザー)の格付け評価を「弱い」と格下げたことを指摘しています。したがって、本日の下落は、BitMEXの共同創設者であるヘイズ氏がテザーの準備金に対して警告したことと、最大級のDefiプラットフォームの一つであるヤーン・ファイナンスがハッキングの被害により約900万ドルの損失を被ったとのニュースへの反応とも思われます。

暗号資産業界がハッキング問題に対応出来ておらず、評判を守ることができていない一方、ヘイズ氏がテザーが広く知られているほど安全ではないと発言したことは重要と見られます。ヘイズ氏はまた、テザーの準備金の「ストレステスト」(健全性検査)をすることで、ゴールドとビットコインが大幅に調整されてUSDTの価値がなくなるだろうと結論づけています。

11月の市場の動きはまちまち

本日のビットコインは11月に更新した価値の17%が帳消しされ、他の主要資産を明らかに下回ったパフォーマンスとなっています。ゴールドは引き続き上昇しており、10月下旬の調整の大部分を取り戻しており、原油価格はウクライナとロシアの停戦への期待からさらに4%下落しました。為替市場は、クロス円が最も動きがありましたが、11月は控えめな月となりました。ユーロ/ドルは先月末に0.5%の上昇を記録しました。

今週は重要な経済データの発表続く、FRBはブラックアウト期間中

12月10日のFOMC会合までのカウントダウンが始まっており、市場は現在利下げの確率を92%と予想しています、先週、それほど米経済データの発表がなく、それ以上にFRBメンバーの発言も少なかったことから、この利下げ観測は誇張されているようです。現在、FRBはブラックアウト期間に入っており、メンバーからの発言はありませんが、先週金曜日に米雇用統計の発表もなかったにもかかわらず、今週は主に11月の米経済データの発表が目白押しです。

本日は、11月の米ISM製造業PMI調査が発表となり、48.7から49に改善したと予想されています。特に、中国の政府公式と民間による製造業PMIが昨日発表されて50を下回り、民間調査では明らかに国内需要の低下がこの低調さの要因であることが示唆されました。

現在のリスクオフは米ドル上昇のサポートになっておらず、ユーロ/ドルは現在1.1615まで上昇しており、50日単純移動平均線の強いレジスタンスに合っています。一方で、ゴールドは市場がどのような状況下でも上昇する傾向に戻っており、本日は11月中旬の高値である4,245ドルを突破して最高値を更新しています。

原油価格と円が本日は上昇

本日は原油価格も上昇しており、OPECプラスが来年の生産割当を維持するために、第1四半期末まで有志8ヵ国が増産を停止させるとの当初の発表を承認したことも一因と思われます。さらに、米国とウクライナが米国の提案の複雑な点に焦点を置いてフロリダにて和平交渉を進めている一方で、ロシアのプーチン大統領が強硬な姿勢を貫いていることも重要な点です。ウクライナとロシアで和平合意となる可能性は高くはないため、当初の楽観的見方も消えつつあり、原油価格が小幅上昇する可能性があります。

一方、ドル/円は156円74銭台で推移しており、本日は下落しています。日銀植田総裁が本日前半に、「日銀による経済活動とインフレ予測が引き続き現実化されるとなると、政策金利の引き上げが継続されるだろう」と発言したことが原因だと指摘する声もあります。本日の発言は、植田総裁のこれまでの発言に沿った内容ですが、投資家は前向きに反応しました。しかしながら、市場は12月の政策会合で日銀が利上げを行う確率を依然として31%に維持しています。