デイリーコメントー米ドルは地政学リスクと米インフレの間でジレンマ

投稿日: 2026年1月13日20時18分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・地政学が市場を左右、原油価格は60ドルに近づく、ゴールドは4,600ドル付近まで上昇
・米ドルは低調な月曜日のセッションを反映、NY連銀総裁はパウエル議長側に
・本日の米CPI指数に注目、軟調なCPIは市場を動かす可能性も
・ドル円は上昇、日本政府の口頭介入が激化、160円が重要な水準か

地政学リスクが焦点に

本日は米CPI指数が発表となり、通常では、1月下旬の次回FOMC会合とさらなる利下げの可能性に注目するところです。しかし、地政学上と特にイランに関するニュースが話題を独占しています。

イランでの反政府デモが激しくなる中、報道によると、トランプ大統領はイランを攻撃する方向で調整しており、中国やトルコといったイランと取引を行う国々への25%の関税を課すと脅しています。ベネズエラのマドゥロ大統領の拘束とは反対に、イランでの軍事作戦は、イランの中東地域での重要性、特にホルムズ海峡に関する報復のリスクを考慮すると、全く別の話となります。

しかし、この憶測によって、原油価格が12月8日以来の高値まで上昇しています。現時点では、60ドル付近で推移しています。原油価格には重要なレジスタンスレベルが待ち構えていますが、この動きが継続する場合、おそらく63ドル付近でもみ合いとなるかもしれません。

また、ゴールドは4,630ドルの新最高値を更新した後いくらか下落しました。利益確定と米ドル上昇がゴールド下落の一因とも考えられますが、ゴールドのトレンドは引き続き強気で、地政学上のリスクに関する報道からもサポートされています。特に、トランプ大統領はグリーンランドに執着しており、究極のシナリオとしてはNATOの解体につながる可能性があり、実質的にゴールドに恩恵をもたらす可能性があります。

リスク回避で米ドル上昇

FRBへの予想外の刑事訴追が主な原因となった月曜日の低調なセッションを受けて、本日の米ドルは地政学上の進展から一部恩恵を受けています。パウエル議長はこの刑事訴追に対して、いつもの全体的なアプローチからすると、かなり予想外に強硬に対応していることを受けて、本日前半はニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁が講演を行いました。

ウィリアムズ総裁は、トランプ大統領との対立は避けたものの、現在の衝突においてパウエル議長を明らかに支持しており、FRBの独立性と信頼性を守りました。このFRBの重要な要素が現在脅かされており、次期FRB議長発表の最終段階を控える中で、主な判断基準がトランプ大統領の望むように大幅な利下げをする意欲があるのかどうかとなっています。

本日は米CPI指数に注目

金融政策とは別に、ウィリアムズ総裁は現在のFRBのスタンスとかなり好調な状況に満足しており、1月27日と28日に開催されるFOMC会合での実質的な利下げとハト派への転換の可能性が後退しています。ウィリアムズ総裁はまた、インフレの上振れリスク緩和を挙げ、本日重要なCPI指数が発表となるインフレについても言及しました。

エコノミストは、総合CPI指数を2.7%の横ばい、コアCPI指数を2.7%に加速すると予想しています。公開されたFOMC会合の議事録によると、FOMCメンバーはインフレが今年前半は高止まりし、来年には2%の目標に向かって、その後徐々に減速すると予想しています。

現段階では、市場は主に米経済データの軟化に敏感に反応しており、本日の米CPI指数もこのエコノミストの予想通りとなるか、または上振れサプライズとなるとしても、年末までの合計利下げ幅予想である0.51%が揺らぐ可能性は低いでしょう。しかし、インフレ圧力が大きく緩和する場合は、現在7月に織り込まれている次回利下げが前倒しとなり、特に、ミラン理事や超ハト派がFRBハト派の発言を代表する中、米ドルの魅力が失われています。

円は売り、日本政府による口頭での為替介入警告が激化

片山財務相と城内経済安全保障担当ら日本政府報道官が事実上の口頭で介入したことから、現在の状況が深刻であることが明らかです、ドル/円は159円を上回ろうとしており、この現在の取引レンジを突破を試みています。市場は高市首相が1月23日に衆議院を解散する可能性に反応しており、2月中旬に新しい選挙が行われるようです。

この政情不安によって、1月22日に日銀の金融政策会合がタカ派となる可能性が後退し、実際の為替介入のリスクも高まっている中、160円が重要な水準となると見られています。