デイリーコメントートランプ大統領による欧州への追加関税発言でリスク選好度悪化

投稿日: 2026年1月19日19時36分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・トランプ大統領による欧州諸国への関税の脅しでリスク資産下落、ゴールド上昇
・EUは米国に対して報復関税も検討、米ドル下落
・本日は米祝日、焦点はスイスの年次世界経済フォーラムへ
・高市首相が解散総選挙発表で、日本の国債利回り上昇

トランプ大統領の発言でリスク資産とゴールドに影響

トランプ大統領が、グリーンランドの「同意なき買収」に賛同しないドイツ、フランス、イギリスを含む欧州諸国に対して、2月1日から10%の関税、6月には25%に関税引き上げると発表した後、リスク市場はサポートを模索しています。投資家は、トランプ大統領が安全保障上、グリーンランド獲得に向けてあらゆる手段を使うことに警戒していますが、多くは、この広大な土地への優先的なアクセスなど、代替策を期待しています。

EUは、おそらく1月22日にも、臨時EUサミットを開き、2月6日より、米国からの輸入品に対して930億ユーロの報復関税を課す準備を進めており、新しい関税戦争が宣言されることになるでしょう。ECBはこの動向に注視し、支援をする準備を進めています。

トランプ大統領がこの試みに成功する場合、米最高裁が再び判決を下すかが気になるところです。特に、明日1月20日は次の意見公表日に設定されており、関税についても新しい意見を発表する可能性があります。

株価指数指数は続落し、金曜日の脆弱な勢いのままで、トランプ大統領が現在の「掴み」戦略を固持する場合、さらに下落する可能性があります。同様に、暗号資産も先週の上昇分のほとんどを手放し、ビットコインは92.5万ドル付近まで下落し、イーサも3,200ドルを下回った水準の維持を試みています。

一方、ゴールドは急上昇しており、4,690ドルの最高値を更新し、今後利益確定の動きも予想されるものの、最近の上昇トレンドを維持すると見られます。さらに、債券利回りも急騰しており、最近の進展に対する市場懸念が明らかとなっています。

本日米祝日でボラティリティ増幅の可能性も

米市場は本日、今年初めての祝日となりますが、静かな日を期待すると失望するかもしれません。スイスのダボスにて、年次世界経済フォーラム(WEF)が本日開幕し、1月23日まで続く予定です。また、米市場休場による低い流動性とともに、動きが増幅される可能性もあります。トランプ大統領も、ベッセント財務長官、ルトニック商務長官、グリア米国通商代表ら、その他重要な政府関係者とともにWEFに出席する予定です。

大きなサプライズが期待される中、トランプ大統領は、現在の攻撃的な姿勢を維持すると見られ、「アメリカ・ファースト」を強調し、世界情勢の現状をさらに揺さぶると見られています。さらに、週末の米ドルは、トランプ大統領による関税の脅しを好意的に反映しなかったため、現在の状況下にて、市場は米ドルを好まないことが明らかとなっており、次の関税戦争が勃発する場合、この傾向が継続するかもしれません。

現在、次回FOMC会合を10日後に控え、通常のブラックアウト期間が設けられており、FRBメンバーは金融政策に関して意見を発言することが禁止されています。また、ブラックロックのCIO(最高投資責任者)であるリーダー氏が次のFRB議長候補であるとの報道によるポジティブな勢いは週末の報道ですぐに打ち消されたことも注目でしょう。

FRBでの経験がないにもかかわらず、リーダー氏は、他の候補者であるハセット国家経済会議委員長やウォーシュ元FRB理事に比べると最良の選択肢かもしれません。とはいえ、リーダー氏の名前がリークされたことで、「ソフト」な候補者が指名されることへの市場の反応がさらに厳しくなる可能性があり、米ドルが打撃を受ける可能性があります。

中国の経済データは予想下回る、高市首相が解散総選挙を発表

中国のGDP成長率は、第4四半期と年間ともに予想を若干上回ったものの、小売売上高と固定資産投資、そして新築住宅価格が予想を下回ったことで、中国の経済状況が深刻であることが明らかとなりました。不動産セクターが引き続き中国政府にとって最大の問題である中、2月中旬の春節のホリデーシーズンを前に、さらなる景気刺激策も考えられますが、その効果には大きな疑問が残ります。

一方、高市首相は本日、解散総選挙を発表し、衆議院での自民党多数の復活を目的としていることは明らかです。円安が進行しており、ドル/円は先週160円近くまで上昇した後158円台まで下落しました。さらに、高市首相が食料品の消費税を一時的に廃止することを検討しているとの報道を受けて、日本の国債利回りが数十年ぶりの高値まで上昇しました。