デイリーコメントーリスク選好度上昇、為替介入間近との警戒感から円上昇

投稿日: 2026年1月23日19時58分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・投資家が米ドルの代替を模索で、米ドル下落再開
・日銀は金利据え置き、経済予測を上方修正も円安に
・財務省による為替介入の可能性高まり、その後円は上昇
・米株価は続伸、ゴールドは新最高値更新

米ドルは新たな売り圧力に

昨日の米ドルは、円を除いた全ての主要通貨に対して下落しました。本日は、多くの主要通貨に対して安定しているものの、豪ドルに対しては下落幅を拡大しています。

米ドル下落の明らかな要因はありませんが、ニュース報道によると、このドル安は、トランプ大統領がグリーンランドに関して姿勢を軟化させ、欧州各国への関税を撤廃したことを受けてリスク選好度が改善したことが起因であるとしています。

そうは言っても、月曜日の米ドル下落は、ドルが上昇したことで引き起こされました。トランプ大統領がグリーンランドへの武力行使を否定し、NATO同盟国との合意の枠組みを発表した後、米ドルが反発したものの、米ドルはその後すぐに下落を再開しました。このため、トレーダーはすでに米ドルを売る準備をしていたか、または米ドルのロングポジションを清算する準備をしていたことが示唆されます。

米ドルの下落は、FRBの利下げ観測の高まりによるものでもありませんでした。昨日の米PCEインフレレポートによって、11月のインフレが依然として粘着性があることを示唆されたため、市場は現在今年末までに合計で0.44%の利下げ幅を織り込んでいます。昨日のPCEインフレレポート発表前には、予想合計利下げ幅は約0.50%でした。

簡単な説明としては、グリーンランドを巡る緊張関係緩和により、市場が株式への投資を増やすといった代替策を検討し、為替市場では、オーストラリアの雇用統計が予想を上回ったことで、オーストラリア準備銀行による次回会合での利上げの確率が高まり、豪ドルを選択したということかもしれません。

日銀は本日金利の据え置き決定、為替介入の可能性で円が急上昇

米ドルが上昇した唯一の通貨は円でした。日銀が金融政策会合にて、金利を据え置いたため、ドル/円は急騰しました。この決定は既定路線でしたが、1人の審議委員が0.25%の利上げに賛成しました。声明では、経済活動とインフレが日銀の予想通りに推移する場合、利上げを継続する意思があることが明らかになりました。日銀は2025年度と2026年度の成長率およびインフレ予測を上方修正しました。

記者会見での植田総裁は、次の利上げを急ぐような様子ではなく、日銀の決定は、またしても市場予想ほどタカ派にはなりませんでした。さらに、日銀は今後の見通しが想定内である限り、利上げを続けることを強調し、経済予測を上方修正することで、自ら次の利上げへのハードルを高く設定しました。そのため、日本経済が日銀の予想に届かないような場合は、利上げのタイミングがさらに先送りとなるかもしれません。本日の政策決定はまた、12月の日本のインフレが約4年ぶりの低水準に鈍化したことが明らかとなった直後発表されたため、市場が早急な利上げを確信するのは難しかったとも言えます。

そうは言ったものの、欧州時間の朝には、円は米ドルに対して1.9%ほど急上昇し、2024年に実際に日本政府が為替介入を行った際のレートチェックを思い起こすことになりました。おそらく、本日の日銀の決定が円安の進行を止めることができなかったことから、財務省がレートチェックを実施したのかもしれません。レートチェックは、政府が実際の介入に踏み切る前に、トレーダーに強い警戒感を与えることを意味すると思われます。

したがって、もしトレーダーが円を売る意思がない場合、より強く反映される可能性があります。そのため、ドル/円の上昇トレンドが維持されているように見えたとしても、その動きに乗るのは賢明な選択ではない可能性があります。

株価は続伸、ゴールドは新最高値更新

米株式市場では、主要3指数は昨日続伸し、本日の先物市場では安定が示唆されています。トランプ大統領がグリーンランド関連の脅しを撤廃したことで、投資家がリスク資産への投資を増加させたということは、株式の高いバリュエーションを市場は気にしてはいないことが示唆されます。

おそらく、投資家は、割高なバリュエーションをコストではなく、将来の成長機会の現在価値と見ているのかもしれません。来週は、ハイテク大手の決算報告が控えており、市場の期待に沿う結果となる場合、米株価指数の上昇トレンドが続く可能性が高いでしょう。

広範なリスク選好度の改善にもかかわらず、ゴールドは上昇を維持しており、4,967ドルの新最高値を更新した後若干下落しました。これは、ゴールドの上昇が安全資産への流入だけでなく、中央銀行による保有量拡大とFRBの利下げ観測の高まりなど、ゴールド保有による機械費用の削減といった要因があることが示唆されています。米ドル下落もまたゴールドに恩恵となっているのかもしれません。