デイリーコメントーゴールドへのレバレッジ削減が強いられ、下落が深刻化

投稿日: 2026年2月2日19時55分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・FRB新議長にウォーシュ氏指名と強制清算でゴールドとシルバーが急落
・今週の米鉱統計を前に米ドルは反発、豪中銀は明日政策決定
・日曜日の総選挙前に円安再開
・米株価下落、米国がイランと交渉中で原油価格下落

ゴールドとシルバーが数十年ぶりの急落幅に

ゴールドとシルバーは本日も投資家の最優先課題となっています。先週の政治・経済イベントによって、ゴールドとシルバーはその過剰にレバレッジされたポジションが強制清算されたため、金曜日に下落幅を拡大させました。金曜日はゴールドにとって1980年代初頭以来最悪の日となり、約9%も下落し、シルバーに関しては、史上最悪の日中暴落となる35%の下落を更新しました。

ゴールドとシルバーはともに、投機的かつレバレッジによるポジションで非常に買われすぎて急騰していたため、トランプ大統領が現在のFRBパウエル議長の任期終了後に、後継者としてタカ派と見られていたウォーシュ元理事を指名するとの噂が広がった木曜日に初めて下落となりました。金曜日にウォーシュ氏が後継者として発表された際には、ゴールドとシルバーはともに急落し、米ドルは反発、株価は下落ました。

CMEの証拠率要件を引き上げと中国でのシルバーETF取引停止が重荷に

しかし、ウォーシュ氏の指名だけでは、この下落は説明がいきません。CMEグループが一連の証拠金率の要件を大幅に引き上げたことで、レバレッジが過剰気味だった一部のトレーダーが撤退しました。1月13日にCMEが証拠金率の米ドル固定からパーセンテージベースに変更して以来、5回の証拠金率の引き上げが行われており、金曜日に最新の引き上げが発表されました。

中国での動向も影響を及ぼしているかもしれません。深圳株式市場では金曜日、シルバーSDIC ETFの取引が一日中停止となったため、中国のトレーダーにとって流動性の罠となり、SDICへのエクスポージャー保護策として、他のシルバーETFやデリバティブ契約のポジションを清算せざるを得なくなったことも、さらに問題を深刻化させました。

しかし、本日もゴールドとシルバーの下落は続いているもの、より広いファンダメンタルの見通しがあまり変わっていないことから、長期的な上昇トレンドが再開する可能性はあります。FRBは年末までに2回の0.25%の利下げを行うと予想されており、地政学リスクと関税関連での不確実性が高まる中、最新の米経済データによると、FRBの必要性は昨年末までに堅調に維持されました。

米ドル反発、豪中銀は明日利上げ決定か

FRB新議長にウォーシュ氏が指名されたことで、米ドルの追い風となり、豪ドル以外全ての主要通貨に対して上昇しました。投資家は依然としてウォーシュ氏が大幅な利下げを行う可能性は低いと見ています。しかし、利下げを推奨するトランプ大統領が指名したこととを考慮すると、今週金曜日の非農業部門雇用者数が大幅に予想を下回るような場合、この見通しが変わる可能性があります。

今週は、米雇用統計以外には、主要中銀による政策決定が続きます。オーストラリア準備銀行は明日のアジアセッションにて、イングランド銀行とECBは木曜日に金融政策会合での決定を発表する予定です。

オーストラリアでは、雇用統計が予想を上回り、消費者物価が加速したことから、市場は現在77%の確率で0.25%の利上げとなると予想しています。今週の政策会合にて、利上げを決定し、また今後も追加利上げとなることが示唆される場合、豪ドルはさらに上昇する可能性があるでしょう。

市場は高市首相が円安容認示唆と解釈で円下落

ドル高と高市首相が円安を承認するような発言をしたことから、ドル/円がレジスタンスゾーンである150円50銭まで上昇しました。今週日曜日の2月8日には、総選挙が予定されており、円にとって次の大きな変動となる可能性が高いでしょう。

高市首相率いる自民党が過半数を獲得する場合、高市首相が自らの財政政策を進めやすくなるとの憶測から、日米合同の為替介入への懸念から上昇した円高分が帳消しとなる可能性があるでしょう。自民党が過半数に達しない場合、高市首相の辞任となり、円が上昇する可能性があります。また、政治的な不確実性が日本の株式市場の重荷となり、安全資産としての円が上昇するかもしれません。またその場合、自民党による財政政策の拡大が避けられるとの期待も円のサポートなるでしょう。

株価下落、トランプ大統領がイランと「真剣な交渉」と述べ原油価格下落

米株式市場では、主要3指数が金曜日に赤字となり、本日の先物も続落が示唆されています。ウォーシュ氏の指名が株価にも重荷となっていますが、市場は今年FRBが他の主要中銀よりも利下げを行うとの予想を維持しており、企業の決算報告も順調であることから、これが株価指数の反転とするのは時期尚早でしょう。

原油価格は本日マイナスで開場し、トランプ大統領が週末にイラン政府と真剣な交渉を行っていると述べたことで、米国による軍事行動のリスクが後退する可能性があります。