デイリーコメントー株価続落もゴールドと暗号資産は比較的安定

投稿日: 2026年2月6日20時41分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・AIへの巨額投資と今後の混乱への懸念が株価の重石に
・貴金属関連とゴールドは安値から反発
・軟調な米雇用統計予想で利下げ観測高まるも米ドルは市場の混乱からサポート受ける
・日曜日の総選挙開票日を前に円はサポートされる、英中銀とECBは金利据え置き決定

AIへの懸念でナスダックは10週間ぶりの安値まで下落

AIを取り巻く2局面での脅威が株式市場に直面する中、AI関連株、ソフトウェア株、そしてデータプロバイダー株の売りが継続し、昨日の米株式市場は下落で取引を終えました。1つは、AIへの巨額投資は、膨れ上がったバリュエーションを正当化できるほど大幅な増益とはならないとの懸念と、2つ目は、最近AIがソフトウェアやデータサービスといった業種の混乱を招く可能性があるとの懸念が浮上しており、これらの懸念はもはや遠い将来のリスクではないと見られています。

昨日、アマゾンが今年のAIへの投資額を2,000億ドルまで増額する計画を発表したことで、AIへの設備投資計画への懸念が再浮上しました。第4四半期は予想を上回る売上増を報告したにもかかわらず、時間外取引でアマゾン株は10%も急落しました。

S&P500は1.2%下落し、今週の下落幅は2.0%となり、ナスダック100も11月下旬以来の最安値で引けました。AI関連株が比較的少ないNYダウはやや好調な週となっており、昨日は下落したものの、ヘルスケア株の上昇やアップル株やウォールマート株の上昇に支えられ、今週は上昇で終わる可能性があります。

AI株の急落が世界の主要株価指数でも打撃となっている一方で、ハイテク株の比重の少ないイギリスのFTSE100などは上昇しています。ただ、本日の欧州時間の始まりでは、米国株先物が若干上昇を示すなど、AI関連株の売りが緩和している兆しも見られます。

軟調な米労働市場を示す経済データも米ドルは今週上昇

FRBが今年少なくてもあと2回の利下げを行うとの観測が高まり、本日の市場のムードは改善されているようです。今週、米労働市場に関する一連の経済データが軟調となったことで、FRBの利下げ観測が改めて高まりました。

ADPによる雇用レポートは予想を下回り、チャレンジャー調査では人員削減数が急増し、昨日やや遅れて発表されたJOLTSのデータでは、12月の求人数が急減し、週間失業保険申請件数でさえやや上昇しました。

多くの投資家は、来週水曜日に発表となる政府公式の雇用統計を待ってから、労働市場が悪化しているのかを確認することになるでしょうが、FRBの利下げ観測は若干引き上げられ、12月までに合計0.58%の利下げ幅まで押し上げられました。

その結果、短期債利回りが低下しており、その背景には、リスク資産からのローテンション転換で安全資産への資金流入となり、ソブリン債への需要が高まっている可能性もあります。

しかし、米ドルは11月中旬以来の好調な週となっており、安全資産として好まれたゴールドが投資的な取引の犠牲となっていることから、米ドルは世界通貨としてのアピールを取り戻しつつあります。

ゴールド、シルバー、ビットコインは急落後上昇に反転

ゴールドと他の貴金属は過去2週間でかなり激動しています。2週間前の高値からの下落は、利益確定の動きから始まったのかもしれませんが、今週の下落はアルゴリズム取引が引き金となった売りの可能性が高く、パニックに起因しているようです。

シルバーの動きはもっと不安定ですが、ゴールドとともに本日は回復しています。FRBが米労働市場は安定していると早まった観測をし、次の利下げが前倒しとなるとの見通しが広がり、反発の試みがサポートされている可能性があります。

暗号資産もまた、強制清算によって打撃を受けました。ビットコインは昨日13%下落し、本日前半も60,000ドル台付近まで下落を拡大させた後、65,000ドルを上回る水準まで反発しています。

円の行方は今週末の衆議院総選挙の結果次第

為替市場では、日曜日の総選挙投票日を前にした警戒感から恩恵を受けて円高となっています。高市首相が自民党の過半数獲得を導き、さらなる財政緩和策の任務を推進すると予想されています。

一方、日銀は追加利上げを示唆しています。日銀の増審議員は、今後の利上げなしでは、基調的なインフレが日銀が目標とする2%を上回る可能性があると言及しました。しかし、過度な利上げが物価と賃金の緩やかな上昇を抑え込まないことも必要であると述べました。

米ドルは本日157円付近で推移しており、ユーロは1.1795ドル、ポンドは1.3577ドルまで上昇しています。

ECBと英中銀による金利据え置き決定は予想外にハト派寄り

昨日ECBが金利を据え置いたものの、ラガルド総裁がインフレの見通しが下振れリスクにあると示唆したため、ユーロは小幅下落しました。

イングランド銀行もまた昨日の政策決定にて、予測期間中にインフレ率が減速したと発表しました。ベイリー総裁が懸念する理由として挙げたのは、失業率の上昇と不確実な世界的環境でした。ベイリー総裁は昨日5対4と予想外に接戦となった金融委員会での投票で決定票を担い、金利の据え置きを決定しました。

先物市場では、イングランド銀行による次の0.25%の利下げは6月まで完全に織り込まれてはいないものの、多くの投資家は現在、次の利下げが早くて次回3月の会合になる可能性もあると見ています。

ポンドは昨日ほぼ1%下落しましたが、本日は安定しています。

反対に、オーストラリア準備銀行のブロック総裁による新たなタカ派的見解を受けて、豪ドルは本日0.6970ドルまで上昇しました。