デイリーコメント – 米イラン戦争懸念でゴールドが上昇、タカ派的なFOMC議事要旨で米ドル高

投稿日: 2026年2月19日20時35分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

• 核協議は進展も、米国がイランを攻撃するとの懸念から、ゴールドと原油が上昇
• FOMC議事要旨がタカ派姿勢を裏付け、米ドルは2週間ぶりの高値に上昇
• AI懸念の後退を背景に米株価は小幅高、本日はウォルマートの決算に注目
• 利上げ観測で豪ドルとNZドルが上昇

イラン情勢を巡る地政学的リスクが高まる

米国とイランの当局者がジュネーブで行われた核協議については合意に向け進展があったと述べているにもかかわらず、中東の緊張は高まっています。イラン代表団はやや前向きな姿勢を示している一方で、米国がイランに対する軍事攻撃の命令を目前に控えているとの報道が増えており、「進展はあったが、依然として議論すべき詳細は多い」とする米政府の公式見解とは矛盾しています。

米ニュースサイトのアクシオスによると、イランで大規模な軍事増強が進む中、米国は数週間に及ぶ可能性のあるイランとの全面戦争の開始に、かなり近づいているとのことです。また、ジュネーブでの核協議の行き詰まりが懸念される中、トランプ大統領は米側近らとイラン問題を巡り会合を開いたと報じられています。

これは、米交渉担当者が協議を行う中でイランに圧力をかけるための、米国側の単なる戦略である可能性も高いですが、トランプ政権がイランの体制転換こそがこの問題を巡る唯一の前進策だと次第に考えるようになっているリスクも十分にあるでしょう。これはイスラエルがこれまで主張してきたものです。

イラン戦争の脅威の高まりでゴールドと原油が上昇

しかし投資家は慎重姿勢を強め、安全資産とされるゴールドや原油にも資金を流入しています。これは世界第9位の産油国からの供給が広く中断されれば、原油価格が急騰する可能性が高いためです。さらに、イランが米国との軍事的緊張の高まりへの報復としてホルムズ海峡を封鎖すれば、他国からの供給にも影響が及ぶことになるでしょう。

WTI原油先物は本日約1.5%上昇しており、昨日の4.6%上昇に続く動きとなっています。現在は1バレルあたり66.15ドルと、約3週間ぶりの高値圏で取引されています。

ゴールドは昨日に2%上昇したものの、米ドル高が重石となり、5,000ドル台を上回って引けることはできませんでした。しかし本日は再び上昇を試す展開となっています。

FOMC議事要旨はタカ派が完全に主導権を握っていることを示唆

米ドルも上昇基調にあり、昨日公表された1月FOMC会合の議事要旨を受けて、2週間ぶりの高値に向かっています。これは、米債利回りの動きと連動しています。

議事要旨は、1月会合での当局者らのタカ派的姿勢を裏付ける内容となり、ほとんどの当局者が米労働市場への懸念を後退させる一方で、インフレ率が2%の目標を長期にわたり上回る状況に、より強い懸念を示しています。一部のFOMCメンバーは、インフレが早期に目標水準まで低下しない場合、利上げの正当性を示すため、FRBのフォワードガイダンス変更を支持する意向すら示唆しました。

残念ながら、先週の強い米雇用統計を「奇妙だった」と昨日発言するなど、好調な米雇用統計には納得していなかったボウマン副理事を除いては、ミラン理事やウォラー理事のように利下げに賛成票を投じる準備ができているメンバーはほとんどいないようです。

タカ派的な議事要旨は、昨日発表された耐久財受注や鉱工業生産指数を含む米国の堅調な経済指標によっても裏付けられました。本日は更なるFRB当局者が発言をする予定ですが、市場は主に明日発表の第4四半期のGDP速報値と12月のPCEインフレ指標に注目するでしょう。

豪ドルとNZドルは一部回復

日本でも好調な経済指標が発表され、12月の機械受注は前月比で19.1%急増しました。しかし円相場は本日全体的に軟調で、米ドルに対してのみ横ばいで推移しています。

豪ドルとNZドルは、米ドルに対して最も回復しています。豪ドルは、好調な豪雇用統計が追い風となり、一方NZドルは、先日NZ中銀が政策金利を据え置いた際よりもややタカ派的な姿勢を示した、NZ中銀ブレマン総裁の議会委員会での発言から支えられました。

米株価はハイテク株の反発で持ち直す

株式市場では、主要株価指数は本日下落しています。これは、明日発表される米国の経済指標を前に慎重姿勢が強まっていることに加え、イラン情勢の緊張の高まりやFRBのタカ派的な姿勢がリスク選好度を抑制しているためです。

それでも、主要3指数はいずれも上昇して取引を終えるなど、昨日の米株価の上昇により、AI関連株売りが早期に再び始まるのではないかという懸念が和らぎました。来週、最新の決算発表を控えるエヌビディアが上昇を牽引し、メタ社に対してAIチップを供給する複数年の契約を締結したとの発表を受けて1.6%上昇しました。

アマゾンも大幅な上昇を見せましたが、本日の焦点はウォルマートに移るでしょう。同社は本日米国市場開場前に第4四半期決算を発表する予定です。