デイリーコメントー米・イラン衝突懸念の中、本日の重要な米経済データを前に米ドル上昇

投稿日: 2026年2月20日19時48分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

・トランプ大統領がイランに核合意で期限設定、両国の緊張関係高まる
・米ドルは1か月ぶりの高値まで上昇、本日の米GDPとPCEインフレレポートに注目
・原油価格は6か月ぶりの高値まで急騰もゴールドは5,000dドル付近を何とか維持
・円安再開、株価はまちまち

トランプ大統領はイラン政府に対して圧力強化

トランプ大統領は、今週ジュネーブで行われているイランとの「非常に良好な」核合意への話し合いを受けて、「有意義な合意」に達成するまで10日から15日の期限を設定して、合意に向けて諦めないことを明確にしました。しかし、協議は進展しているものの、米国は2隻の空母を含めた中東での軍事力強化を進めており、イラン政府が米政府の合意条件に同意しない場合、「悪いこと」が起こると脅しています。

ウォールストリートジャーナルは、イラン政府が要求に応じない場合、イランに対して限定的な攻撃を行うとの選択肢を検討していると報道しており、中東での報復と大規模な紛争悪化のリスクが高まっています。

原油価格は供給混乱への懸念で急騰

原油先物はこれらの報道で急騰し、週間上昇幅は5.5%以上となっています。これは、イランとの軍事衝突によって、イランの石油輸出に大きな混乱が起こる可能性があることによります。最悪のシナリオでは、イランがホルムズ海峡を通過する船舶を阻止することで、その結果、世界の石油供給の約20%が断たれる可能性があります。

WTI原油先物は67ドルを一時的に突破した後、1バレル66. 26ドルで取引されています。昨日発表された米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)による原油在庫量では、先週大幅に減少したことが明らかとなり、原油の強気派の勢いがサポートされています。しかし、OPECプラスが4月に石油増産を再開する可能性があることから、今後上昇し続けるかは、米国とイランの膠着状態がどのように解決されるかに左右されることになります。

ドル高でゴールドの回復が抑制

ゴールドも地政学リスクの高まりから恩恵を受けています。中東戦争の可能性への懸念によって、ゴールドは週半ばの回復となりました。しかし、5,000ドルから5,100ドル付近で再度強いレジスタンスを受けており、このレジスタンスゾーンを突破するのに苦戦しています。

また、ドル高がゴールドの上昇を抑えており、今週プラス領域で終えるには、本日5,042ドル台を多少上回った終値が必要となります。

米ドルは今週堅調に推移、ポンドと円は下落基調

今週のFOMC会合議事要旨がタカ派となり、昨日の堅調な失業保険申請件数を含む米経済データも好調となったことで、ハト派的利下げ観測が後退したため、米ドルが上昇しています。とはいえ、先週の米CPI指数減速を受けて、市場が12月までの予想利下げ幅を若干縮小したことを踏まえて、米ドルの回復幅については疑問が残ります。しかし、ポンドと円が今週下落しているため、ドル指数は1月23日以来の高水準まで上昇しています。

今週のポンドは、イギリスの軟調な雇用統計とCPI指数から下落しましたが、1.3430ドルでサポートされています。本日の製造業とサービス業のPMI速報値と英小売売上高が予想を上回ったため、ポンドはやや安定しています。

ドイツの2月の製造業とサービス業のPMI速報値もまた予想を上回りましたが、ユーロは横ばいで推移しています。しかし、日本の1月のコア消費物価指数が前年比2.4%から2.0%に減速したことから、日銀によるインフレの粘着性への懸念が疑問視されており、円に引き続き圧力がかかっています。

本日後半の焦点は、米GDPとPCEインフレレポートに移ります。世界最大経済国である米国の経済成長率は第4四半期に減速した可能性が高く、一方12月のコアPCE物価指数は前年比2.8%から2.9%に上昇したと予想されています。上振れサプライズとなる場合、米ドル上昇がさらに後押しされるでしょう。

米株価での反発は控えめ

株式トレーダーも本日の米経済データに注視しつつ、米最高裁がトランプ関税の合法性について判決を下す可能性があることから、準備を進めています。一方、株式市場のセンチメントは昨日の米株価下落を受けて多くのアジア株式市場も下落した後、改善しているようです。本日の欧州株式市場は黒字となり、米株式先物もプラスに転換しています。

ウォルマートによる2026年の業績見通しが期待外れとなったことで、昨日のS&P500は下落しました。しかし、それでもS&P500は2週間連続での下落が止まる見込みです。一方で、ナスダック100は、大手ハイテク株でさえ現実味に欠けるような回復を試みている中で、4週間ぶりに週間でプラスとなる見込みです。