デイリーコメント– 原油供給懸念緩和で株価と米ドル安定、米非農業部門雇用者数に注目

投稿日: 2026年4月3日19時20分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • イースターの長期休暇を前に原油先物が急騰するも、高値からはやや下げる
  • ホルムズ海峡再開への期待が、株式の売り止まりを後押し
  • 米3月雇用統計発表を控え米ドルは若干下落、ゴールドは再び下落

ホルムズ海峡再開への努力で市場心理が改善

米国のトランプ大統領が水曜日の国民向け演説において、イランを「極めて激しく攻撃する」と警告したことを受けて、供給不足への不安が市場を覆った為、昨日の原油先物は急騰しました。米国が中東での軍事作戦を2〜3週間以内に終結させるという週初めの期待は、急速に消え去りました。しかしながら急騰の主な要因は、トランプ大統領が米国はホルムズ海峡を必要としていないと示唆したことを受けて、紛争が近く終結しても、エネルギー市場における供給の混乱が当面は続く可能性が高いという現実の再認識でした。

昨日の後半には、この重要な石油輸送路の封鎖を終わらせるための解決策への期待が再び高まりましあ。昨日、英国が約40カ国との協議を主催し、ホルムズ海峡を通じたエネルギー輸送を再開する方法を模索するとともに、イランに圧力をかける手段として制裁の活用についても議論しました。一方でイランは、オマーンとともにこの重要な航路を通過する船舶の「通行を監視する」ための取り決めを策定していると述べ、同海峡に対して主導権を握っていることを引き続き示しました。

これらのいずれの動きも、安全な航行の早期回復を保証するものではありませんが、全ての関係者にホルムズ海峡の船舶の往来を増やそうとする利害関心を示す心強い兆しであり、西側諸国のイースター休暇でトレーダーたちが取引を休む前に、市場にはいくらかの安心感を市場にもたらしました。

WTI原油先物がブレント原油先物を上回り、ゴールドは下落

この控えめな楽観ムードは、ブレント原油先物6月限にも反映されており、WTI原油先物5月限が12.2%急騰したのに対し、「わずか」8%の上昇にとどまって取引を終えました。これは、原油先物のフォワードカーブがバックワーデーションの状態にあることを示唆しています。さらに、ここ数日のWTI原油先物のブレント原油先物に対するより強い上昇は、中東の産油国に代わる供給先を求めて買い手が動いた結果、米国産原油への需要が急増したことにも起因しています。

取引終了時点で、WTI原油先物は1バレルあたり112.32ドルまで到達し、ブレント原油先物の109.24ドルを上回りました。

グッドフライデーの祝日により、本日のコモディティ市場は休場となりますが、昨日のゴールドはその日の取引中のより大きな下げ幅の一部を取り戻す機会があり、1.7%安の4,675.67ドルで取引を終え、4日間続いた上昇に終止符を打ちました。

米非農業部門雇用者数発表を控え、米ドルは若干反落

市場心理の改善が米ドルの重しとなり、昨日の堅調な動きの後、本日はやや軟調に推移しています。

中東でのさらなる大規模なエスカレーションへの懸念とは別に、今週の米ドルは、米経済指標の好調な結果によって一段と押し上げられました。しかしながら、経済指標の全ての強い結果が必ずしも良いニュースというわけではなく、3月米ISM製造業PMIにおける価格指数の急上昇は、イラン紛争の影響がすでに実感されていることを示しています。

それでも、原油パニックがやや緩和したことで、投資家は再び年末の利下げの可能性を若干織り込んでいます。FRBメンバーの最近の発言によりますと、殆どの政策担当者が金利をしばらく据え置くことで一致しているようですが、中東紛争がインフレに与えるリスクの大きさについては、見解の相違もあるようです。

したがって、本日の米非農業部門雇用者数でどちらの方向に予想外の結果が出ても、市場には大きな反応が起きるでしょう。アナリストは、先月の大幅な減少を受けて3月に6万人の雇用回復を見込んでおり、失業率は4.4%で横ばいが予想されています。

株式市場の説得力のない回復

株式市場は変化する市場心理に沿って推移し、昨日の米株式市場は損失を取り戻すことができました。ダウ工業株30種は僅かに下落して取引を終えたものの、テスラが第1四半期の自動車納車台数の 脆弱な結果を受けて5%以上急落したにもかかわらず、S&P500とナスダック100は僅かに上昇して取引を終えました。

本日、日経平均株価がアジア市場の回復を牽引しました。一方、欧州の殆どの市場はグッドフライデーの祝日で休場です。

しかしながら、米国の先物市場は既に下落に転じています。湾岸地域からの石油・ガス供給の混乱がどれくらい続くかに対する警戒に加え、プライベートクレジット市場でのストレスの兆候が強まっていることも、市場の不安を助長している可能性があります。プライベートクレジット投資会社ブルーアウル・キャピタルが、54億ドルの償還要請を受けて、出金に上限を設けざるを得なかったと発表したことも、市場の懸念の一因となったようです。