デイリーマーケットコメントー米株価最高値更新、カナダドル上昇

投稿日: 2019年7月4日19時21分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 再び「悪いニュースは良いニュース」となり、米株価最高値更新
  • 米国とカナダの政策金利乖離により、カナダドルが対米ドルで年内最高値
  • トランプ大統領が米ドル安を支持、しかしながら米ドル相場には反応なし

米株価最高値更新

昨日、全ての米主要株価先物指数は、最高値を更新して引けました。S&P500は0.77%、ダウ工業株は0.67%、ナスダック指数は0.74%上昇しました。典型的なケースとして、悪いニュースは、株価にとって良いニュースとなりました。昨日の米経済指標の脆弱な結果が、今後数カ月内の利下げ観測を上昇させたことが、株価上昇に繋がりました。通常、利下げは、株式等のリスク資産の需要を増加させます。

米6月ADP雇用統計は、市場予想の14.0万に対して、僅か10.2万人にとどまりました。これにより、明日に発表される米非農業部門雇用者数が、市場予想を下回る懸念を浮上させました。米6月ISM非製造業PMIは、市場予想を下回り、2年ぶり低水準まで低下しました。これにより、製造業の鈍化が非製造業まで波及していることが浮き彫りになりました。

本日、米国は独立記念日の祝日で休場となっています。したがって、市場の流動性が通常よりも低下し、あらゆるニュースが大きな値動きに繋がる可能性があります。

コモディティ通貨上昇で、カナダドル高

外国為替市場では、株高の流れにより、コモディティ通貨が上昇しました。豪ドル、カナダドル、及びNZドルは、自国経済のニュースが特になかったにも関わらず、対主要通貨で急騰しました。

カナダドルは、原油高、及び米政策金利とカナダ政策金利の乖離幅増加の見通しにより、対米ドルで年内最高値を更新しました。他の主要国経済と比較して、カナダ経済指標は好調な結果が継続しています。これにより、主要国の中で、カナダ中央銀行が利下げを実施しない唯一の中央銀行になる可能性が上昇しています。政策金利の観点からは、カナダドルは他の主要通貨に対して非常に魅力的な通貨となっています。したがって、カナダドルが一段と上昇する可能性があります。

トランプ大統領が為替操作を批判、米ドルに反応なし

昨日、トランプ大統領がツイッター上で、欧州と中国は「大きな為替操作ゲームに興じている」と発言し、再び市場の注目を集めました。米財務省が欧州と中国が為替介入をしている公表していないにも関わらず、トランプ大統領は今までも同様の発言を繰り返してきたことから、ニュース自体には目新しさはありません。

しかしながら、注目すべきことは、トランプ大統領が「我々も同じようにすべきだ」と発言したことです。つまり、FRBに対して、米ドル安を要求していることになるでしょう。ニュースを受けて、米ドルは若干下落しました。しかしながら、その後すぐに回復し、昨日とほぼ同水準でセッションを終えました。