デイリーマーケットコメント–米ドルは小幅な値動き、米ISMの予想を下回る結果でも株価安定

投稿日: 2021年5月4日19時25分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • ISMの予想を下回る結果後、米ドル下落、株価は回復
  • 英中銀のテーパリング観測で、ポンド急騰
  • 国債利回り低下でゴールド上昇、豪中銀は現行政策の据え置き決定

ISM発表後、市場は様子見ムード

米ドル相場は、依然として方向性が定まっていないようです。米4月ISM製造業景況指数の予想を下回る結果、及びパウエル議長による米経済はまだ窮地を脱したわけではないとの発言により、昨日に下落した米ドルは、本日前半には僅かに回復しました。

米4月ISM製造業景況指数は市場予想を下回る結果となったものの、項目ごとの結果は好調な内容となりました。サプライチェーンの混乱により、製造業が増加する需要スピードに対応できなかったことが浮き彫りとなりました。米4月マークイット製造業PMIでも同様の兆しが見られ、製造業者側が急増する需要に追い付いていない現状が明らかになりました。

このような状況が米ドルの動きに反映されています。大規模な財政刺激策により、米経済は回復しています。しかしながら、米経済の回復は、FRBが流動性を削減する水準にまでは、まだ到達していないようです。したがって、他国とは異なり、米ファンダメンタルズ要因の堅調さが米ドル上昇に反映されるのは、まだ先になるようです。

今後数か月内に米労働市場に回復が見られた場合、FRBが方向を転換し、国債利回りの上昇により、米ドルが急速な上昇する可能性があります。現在の所は、今週金曜日の米雇用統計に市場の関心が集まるでしょう。

テーパリング観測により、ポンド上昇

今週は、昨日に対主要通貨で急騰したポンドにとって重要な週になるでしょう。木曜日に開催されるイングランド銀行の政策会合では、経済再開、及びワクチン普及により、資産購入枠の削減が予測されています。

しかしながら、政治的リスクが市場のテーパリング期待を後退させる公算が大きくなりつつあります。政策会合の開催日には、スコットランドの議会選挙が実施され、独立派が過半数を獲得する可能性があります。独立派が過半数を獲得した場合、二回目の国民投票の実施に繋がる可能性があり、ジョンソン首相にとって頭痛の種となるでしょう。これにより、ポンド相場では政治的リスクが織り込まれることになります。

株価は安定、ゴールド上昇、豪中銀は現行政策の据置決定

株式市場は、強弱混合の動きとなりました。S&P 500、及びダウ工業株は僅かに上昇したものの、ハイテク銘柄の多いナスダック指数は、高騰したバリュエーションの高い銘柄からの投資家離れの動きにより、下落しました。特に市場の注目を集めたのは、好調な決算結果を発表した一部のハイテク企業の株価急落です。これにより、今期の四半期決算への市場の期待がいかに大きかったかが浮き彫りとなりました。

コモディティ市場では、米国債利回り低下により、ゴールドが上昇しました。現在、ゴールド上昇に最適な環境が整いつつあります。インフレ上昇の兆しが見られる中、FRBが緩和政策の維持を示している為、政策金利が据え置かれ、ゴールド上昇に繋がります。FRBがテーパリングに着手する為、ゴールドの長期的な見通しは下落相場となります。しかしながら、テーパリング協議開始までの数か月間は、ゴールドが上昇するでしょう。

オーストラリア準備銀行の政策会合では、目新しい材料はありませんでした。政策金利は据え置かれ、声明文の内容には変化は見られず、7月の政策会合での政策変更が示唆されました。したがって、豪ドルの反応も限定的でした。