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FRBが市場の高い期待に応えることができるかに注目
本日のFOMC政策会合では、インフレに対応する為、0.50%の利上げ、及びバランスシートの縮小が予定されています。市場は既に0.50%の利上げを完全に織り込み、今後3回の政策会合でも同様に利上げが織り込まれています。これにより、9月までにはFF金利は2.4%付近となる模様です。
最近のFRBメンバーは、サプライチェーン混乱の収束を待つのではく、過熱した住宅市場始めとする需要増加に対応する姿勢を明確に示しています。FRBは景気後退を回避しながらインフレを抑えるソフトランディングを目指しています。
FRBが市場の期待を抑えることは容易ではないでしょう。9月までに200ベーシスポイントの利上げが予想されており、水準はかなり高く設定されています。急激な動きは、債券市場、住宅市場、或いは株式市場に影響を及ぼすことになり、FRBはパニックを回避したい考えです。
慎重になる原因は複数あります。複数の指標では、経済成長の鈍化が示されています。急激な金融引き締め、及びインフレの安定を背景に、米ドル高がインフレ対応策になるでしょう。
市場の反応はパウエル議長の見解次第
今回のFOMC政策会合において、パウエル議長が急速な政策変更を実施する必要性はないでしょう。パウエル議長は、インフレ懸念を強調し、バランスシート縮小を決定する方が理にかなっているでしょう。しかしながら、特に欧州、及び中国での経済成長鈍化リスクも強調されるでしょう。
パウエル議長のリスク懸念は、非常にタカ派的見解を期待している投資家を落胆させる可能性があります。したがって、本日、遂に米ドルが若干下落する可能性もあります。しかしながら、米ドル下落は一時的な減少に過ぎず、米ドル相場の全体的な流れは依然としてポジティブでしょう。
利上げへの最適な環境、リスク回避、及び米国以外での経済成長鈍化を受けて、米ドルは全面高となっています。欧州はエネルギー危機に直面し、中国ではロックダウンが延長されています。日銀は利上げに踏み切る予定はありません。現在の状況が変わらない限り、米ドル高の流れも変わらないでしょう。
株価回復、追加制裁で原油価格上昇
外国為替伊市場では大きな動きはありませんでした。FOMC政策会合待ちの為、殆どの通貨ペアは横ばい推移となっています。
株式市場には動きがありました。FOMC政策会合前のショートカバーの動きにより、S&P 500は約0.5%値上がりして引けました。FOMCのタカ派的サプライズの水準が高くなっている中、パウエル議長が中立的な見解を示した場合、株価、特に大きく下落したハイテク銘柄が回復する可能性があります。
EUが今後6か月以内のロシア産原油の輸入禁止を公表し、エネルギー市場に再び注目が集まりました。原油価格は急騰したものの、世界的に原油価格が高騰するかは議論の余地があるでしょう。中国がロシア産原油を安価で購入していることが報じられており、今回の動きは欧州から中国へのエネルギー助成に過ぎないでしょうか?
今週金曜日の米雇用統計発表を控え、市場は方向性を見極める為に、米4月ADP全国雇用者数、及び米4月サービス業PMIを注視するでしょう。