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FRBは利上げに慎重姿勢
市場で広く予想されていましたように、FRBは0.5%の利上げ、及びバランスシート縮小の6月からの開始を決定しました。0.75%の利上げも予想されていましたが、パウエル議長は大幅な利上げは回避させたようです。
パウエル議長は、FRBが0.75%の利上げを積極的に検討していないことを強調し、今後数回の政策会合において、0.50%の利上げが実施される見通しを明らかにしました。市場は既に今後3回の政策会合での0.50%の利上げを織り込んでいます。したがって、パウエル議長の見解は、予想程タカ派的にはなりませんでした。
市場がFRBにタカ派的な方針を期待したケースになります。パウエル議長は大幅な利上げを実施しない方針を明らかにし、秋以降は利上げのペースが緩やかになる可能性を示唆しています。更に、パウエル議長は、インフレに対応する一方で、景気後退の回避を優先する姿勢を明確に示しています。
パウエル議長の見解を受けて、市場ではハイテク銘柄を中心にリスク資産が買い戻され、S&P 500は3%値上がりしました。利上げへの慎重姿勢に加えて、バランスシート縮小のペースも株式市場の安心材料となったようです。バランスシートは一度に縮小されるのではなく、最初の3か月は半分の規模での縮小が決定されました。
米ドル高一服、ゴールド回復
FRBが大幅な利上げは積極的に検討していない姿勢を示したことから、米ドル高の流れが一服しました。ユーロ/ドルの上昇は、相場転換ではなく、利益確定売りとショートカバーの動きが要因でしょう。最も大きく上昇した通貨は豪ドルで、株価上昇を背景に、2.3%値上がりしました。
パウエル議長が利上げに慎重姿勢を示したことは、外国為替市場にとっても安心材料となりました。米4月ISM非製造業景況では、明日の米雇用統計の低調な結果となる可能性が明らかになりました。しかしながら、米国以外の地域が景気後退の可能性に直面している為、米ドル高の流れが反転する可能性は非常に低いでしょう。
FRBの大幅な利上げへの消極的な姿勢により、国債利回りと米ドルの上昇が一服し、ゴールドが回復しました。ゴールドは今週の下げ幅を全て回復し、1890ドル台越えを達成しました。今後のゴールド相場は、FRBの利上げ方針次第となり、米ドル下落が継続した場合は、一段と上昇の余地があるでしょう。
大局的な見通しでは、ゴールド高の流れは過去のものになりつつあります。ロシアのウクライナ侵攻、国債のマイナス金利、及び過去40年間で最も急速なインフレ上昇にもかかわらず、ゴールドが最高値を更新しない場合は、ゴールド高が継続する可能性は低いでしょう。
英中銀とOPEC会合に注目
本日の市場の注目は、イングランド銀行の政策発表に向けられるでしょう。市場では、0.25%の利上げが完全に織り込まれています。市場では、0.50%の利上げも予想されていますが、経済成長を取り巻くリスクを考慮すると、0.50%の利上げの公算は小さいでしょう。
最近、イングランド銀行のベイリー総裁は、実質所得への影響、及び夏にかけての利上げ方針の一時停止の可能性について言及しています。本日、慎重姿勢が再度強調された場合、ポンドはFOMC政策会合後の米ドルと同様に下落するでしょう。市場は、年内1.5%の利上げを依然として予想しています。
本日にはOPEC会合も開催されますが、現行政策の維持が予想されています。