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米利上げペースが不透明となる中、ジャクソンホール会議に注目
市場が米経済の状況、及びFRBの利上げ政策の正確な把握が困難となった中、リスクオンの流れが減速しました。米住宅市場関連の経済指標では、住宅市場の成長鈍化が浮き彫りとなりました。その一方で、米8月フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を上回る強い結果となり、労働市場の最近の鈍化は回復しつつあるようです。
FRBは今後の利上げペースは米経済指標結果次第との方針を明らかにしましたが、米経済指標の相反する結果により、FRBメンバー内でも判断が分かれています。タカ派のセントルイス連銀のブラード総裁は、9月の0.75%の利上げを支持しています。一方で、サンフランシスコ連銀のダドリー総裁は、大幅な利上げには懐疑的姿勢を明らかにしています。
現在、FF政策金利先物によりますと、9月の利上げでは、0.75%よりも0.50%の利上げの可能性が上回っています。翌週に予定されているジャクソンホール会議は、現在の利上げ予想を変える可能性もあります。ジャクソンホール会議は、米7月消費者物価指数の弱い結果が発表された後、パウエル議長が初めて発言する場となります。
米ドルは王者としての地位回復
FOMC内での利上げペースへの意見の相違、及び景気減速の兆しにもかかわらず、本格的な景気後退は市場では依然として織り込まれておらず、FRBはインフレ抑制の方針を維持しています。この流れを受けて、国債利回りが回復し、安全資産の需要増加の恩恵を受ける米ドルを一段と押し上げています。
現在、米ドルイデックスは1か月ぶり高水準を更新し、約2%の上昇で今週を終える模様です。
豪ドルとNZドルは大幅に下落、ユーロとポンドも下落
今後数か月において、深刻なエネルギー不足に直面するユーロは、対米ドルで1.01ドルを割り込み、1か月ぶり安値を更新しました。英7月小売売上高の予想を上回る結果は、ポンド上昇には繋がらず、対米ドルで1.19ドル台を割り込みました。
6月からの天然ガス先物指数の上昇が今週の欧州内の天然ガス価格を最高値まで押し上げた為、市場では英国とユーロ圏経済見通し悪化への懸念が継続しています。
今週最も軟調推移した通貨は豪ドルとNZドルで、3%以上下落して今週を終える模様です。
中国経済への懸念、及び中国政府による不十分な支援策への落胆が今週のリスクオフムードの主要因となり、豪ドルとNZドルを押し下げました。
株価は急落を回避
現在の所、ネガティブなニュースにもかかわらず、株式市場は底堅く推移しています。アジア株式市場、及び欧州株式市場の下落は限定的だったものの、今週火曜日に4か月ぶり高値を更新したS&P 500は、横ばいで今週を終える模様です。
昨日に発表されたシスコシステムズの好調な決算結果は、米株式市場の上昇に繋がり、終値は緩やかに上昇しました。現在、Eミニ先物指数は、下落して推移しています。
原油とゴールドは再び下落
コモディティ市場では、米原油在庫の予想を大幅に上回る減少にもかかわらず、原油価格の下落が継続しています。供給増加見通しはないものの、ユーロ圏経済の見通し悪化、及び米国と中国経済への懸念により、原油先物指数は下落基調を継続しています。
今週の米ドルと国債利回り上昇を受けて、ゴールドは下落に転じました。ゴールドは、先週には一時的に1800ドルまで上昇したものの、今週には1750ドル付近で推移しています。