デイリーマーケットコメントーFOMC議事録控えリスク資産上昇、NZ中銀は大幅利上げ

投稿日: 2022年11月23日20時12分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog

米ドルと利回りの後退でリスク選好を助長
• 株式市場は上昇、NZ中銀は大幅利上げへ
• 欧州PMI指数など発表、FOMC議事録に注目

リスク選好ムードの復活

昨日はリスク資産が上昇しました。この突然のセンチメントの変化には、明確な指標やレポートがあるわけではないようです。ドル安と実質利回りがリスク選好を後押ししたため、予想変動率(インプライド・ボラティリティ)が崩壊し、S&P500は九月中旬以降の最高水準レベルで取引を終えました。

流動性が低下するホリデーシーズンに向かって、インプライド・ボラティリティが大幅に低下したことは注目すべきことです。全ての先行経済指標が先なる問題を示唆しているにも関わらず、下振れ保護への需要がなくなったことは、株式トレーダーは独り善がりしすぎか、大幅にヘッジに頼っていることを示唆しています。

将来の資産クラスには明確な対比が待ち受けています。株式市場のバリュエーションと収益予想は引き続きソフトランディングに向かっていますが、債券市場はクラッシュランディングの可能性が高く、イールドカーブも逆転領域に向かっていると言えます。

世界中で経済成長の減速を示すデータが来年の不況の不可避を予期しているため、株式は現実に適応する必要があるでしょう。 リスクの高い賭けをするよりも、ディフェンスに徹する方が良い時期のようです。

NZ中銀は大幅利上げ

ニュージーランドでは、NZ中銀が0.75%の利上げを決定し、キャッシュレートを4.25%に引き上げました。これは市場のタカ派予想を反映した形で、関係者は実際には1%の利上げも検討していたと述べました。

NZ中銀の最新経済予測によると、景気後退は来年に予測され、オア総裁はこの景気後退予想の可能性を重視しませんでしたが、インフレーション抑制が最優先事項であり、金利をさらに引き上げる必要があると強調しました。

NZドルは利上げニュースを受けて上昇しました。しかし、NZ中銀のタカ派発言や米ドルの軟化およびリスク資産の明るいムードにも関わらず、NZドルが急速なリリーフラリーに及ばなかったのは懸念すべきことです。中国と世界経済の懸念がニュージーランド国内の前向きな動きに影を落としており、見通しは依然として暗雲が立ち込めています。

欧州PMIおよびFOMC議事録の発表に注目

欧州では、最新のビジネス調査の結果がまちまちでした。ユーロ圏内の経済は今四半期に0.2%縮小していることで一致していますが、明るいニュースとして、十月からの減少幅が縮小し、物価上昇率も落ち着きの兆しが見えています。

全体としてこれらの調査によって、ユーロ圏は景気後退の危機に瀕していることを確証付けますが、エネルギー価格の大幅な下落によって、景気後退は当初心配されていたほど深刻ではないでしょう。したがって、ユーロ圏の展望は改善へ向いており、トレンドの反転への見通しは時期尚早ですが、おそらく来年の話となるでしょう。

ポンドも同じような展開といえます。英経済はすでに景気後退が始まっていると最新のビジネスデータが示しています。今四半期では0.4%の縮小ペースで、新規受注などの将来を示す指標の急激な低下により、英経済のさらなる縮小が予期されます。英政府の金融引締め強化および経済後退により、ポンドは特に世界のリスクセンチメントとを反映しやすいため、ポンドに明るい材料を見つけることは難しいと言えます。

本日の午後7時(GMT)に、FOMC政策会合の議事録が発表されます。この会合後すでに、重要なインフレーションレポートとFRB高官の発言が引き続き発表され、この議事録は現状を反映していませんが、市場はこの議事録の発表を常に注目し、タカ派発言が米ドルの上昇の手助けになる可能性があります。