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・中国は米国からの会談要請検討で両国間の貿易摩擦は引き続き緩和
・アップルとアマゾンの決算報告は期待外れも株価続伸
・本日の米雇用統計を前に米ドル下落、ゴールドは週間下落幅縮小
米中間の通商協議への期待高まる
トランプ政権は大統領就任から100日を迎え、市場の落ち着きを取り戻すことに焦点を置いているため、貿易相手国との緊張関係は今週大幅に緩和されました。数々の関税適用外が発表され、また数か国との間で貿易協議も進展している一方で、米中間での対話は行われていません。
中国政府は、対米通商協議を始めるかどうかを「検討している」ことを示唆したことから、現在の状況にも進展があるかもしれません。中国政府はこれまで米国からの要求に屈しない姿勢を固持してきましたが、本日の中国商務省からの発表は初めて米国に働きかけることになりました。
ベッセント米財務相が両国間の緊張緩和は「中国次第だ」と強調したにもかかわらず、中国政府関係者によると、米国はこれまで関係各方面を通じて接触を図ろうとしているとのことです。しかし、中国としては、米国との会話を始める前に、トランプ大統領が善意を示すことを要求しているようで、両国が交渉の席に着くまでにはまだ長い道のりとなります。
中国政府の声明からは、米国が「誠意を見せる」ために関税措置の一部を撤廃することが示唆されており、これには、少なくても中国から何らかの譲歩がない限りはトランプ大統領は合意するとは見られないでしょう。
今週の株価は上昇見通し、アップルとアマゾンの決算報告は期待外れ
しかしながら、市場はこの展開を進展と捉えており、株価は4月初旬からの安値から3週間連続で回復幅を拡大しています。中国市場は本日祝日のため閉場ですが、アジアと欧州の株式市場は今週高値で取引を終えることになりそうです。
昨日ナスダックが最も上昇し、また米先物も昨日上昇して、本日も続伸しています。マイクロソフトとメタによる好調な決算報告と堅調なガイダンスもハイテク銘柄の多いナスダック上昇を支えました。今年のナスダックはS&P500やNYダウに比べるとアンダーパフォーマンスとなっています。
しかし、昨日のアップルとアマゾンによる決算報告はマイクロソフトやメタの好調な結果に匹敵しなかったことから、株価は大きな上昇で今週を締めくくるとはいかないようです。アップルとアマゾンはともに業績予想は上回ったものの、トランプ関税によって、中国でのiPhoneの販売が減少しており、アップルの業績へ打撃となることに市場は懸念を示しています。アマゾンのクラウドコンピューティング部門の収益成長が減速する中、貿易戦争はまたアマゾンの利益見通しにも重荷となっています。
本日の米雇用統計に注目、円安進行
本日12:30(GMT)の米雇用統計を前に、本日の米ドルは若干下落しているものの、今週の米ドルは堅調に推移しています。4月の非農業部門雇用者数は13万件増加したと予想されていますが、低調となったADPによる民間雇用者数と昨日の週間失業保険申請件数の急増を受けて、本日の非農業部門雇用者数がマイナスサプライズとなる可能性もあります。
しかし、この数字が多少減少したとしても、FRBが緊急に利下げを行う可能性が高まることから、市場のセンチメントにとっては朗報となるかもしれません。危険なのは、もし本日の雇用統計が景気後退の警笛と鳴らすほど低迷となる場合、リスク選好度が再び低下し、米ドルが下落トレンドを再開する可能性があることです。
したがって、米ドルは低迷から完全に回復したとは言い難く、今週の米ドル上昇は円安によって強調されていると言えます。日銀は昨日の金利政策会合にて、今後の利上げについて疑問を呈し、日本政府もおそらく6月までは米国との通商協議で合意に達しないことを示唆しました。
さらに深刻なことは、日本の財務相が1兆ドル以上も保有する米国債を貿易交渉に利用する見通しを提唱しており、米国との交渉が難航していることが示唆されています。
豪総選挙前に豪ドル上昇、ゴールドは下落基調
その他の地域では、オーストラリアは明日の総選挙で与党・労働党か野党連合のどちらも決定的な勝利を収めるとは見られていないものの、市場のムード向上から豪ドルが恩恵を受けて本日最も上昇している通貨の一つとなっています。
一方、ゴールドは米ドル下落を背景に上昇しています。世界的な貿易摩擦の緩和によって、今週のゴールドは打撃を受けて圧力に晒されています。貿易交渉に関するポジティブな報道によって、このゴールドの下落がさらに悪化する可能性もあります。