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・米英間で関税交渉合意、週末の米中協議に注目
・市場の不安と景気後退懸念が緩和で米ドル上昇
・米株価続伸、リスクセンチメント改善でゴールド下落
・英中銀が0.25%の利下げ決定、金融委員会は全会一致とならずポンド上昇
貿易摩擦緩和で米ドル続伸
水曜日のFOMC会合決定が予想よりもハト派にならなかった後、昨日米英間で相互関税合意に達したことで、市場の緊張感がさらに緩和され、昨日の米ドルは続伸しました。
トランプ大統領は昨日、「画期的」な合意に達成したと発表しましたが、イギリスからの輸入品への10%の関税は維持されたままです。イギリスは関税を5.1%から1.8%に引き下げ、米製品へのアクセスを拡大することに合意しました。
市場は、この合意を米国との共通点と探っている他国へのテンプレートとなる可能性があるとして、前向きに捉えているようです。例えば、トランプ大統領は、同盟国全てに対する一律10%の関税を維持しつつ、交渉が実を結ぶ際には相互関税を撤回する用意があるのかもしれません。
トランプ大統領がまた、米中間での本格的な交渉に期待しており、両国間で合意に達したとしても驚かないと発言したことも、市場にとっては大きな安心材料となったのかもしれません。また、トランプ関税が中国からの輸入品に対して発動した後の4月の中国の輸出が大幅に増加したことも、サポート材料となった可能性があります。
週末の米中協議を前に、米株価上昇、ゴールド下落
昨日の関税を巡る進展から、米株価指数は続伸となり、ハイテク株の比重の多いナスダックは1.07%上昇しました。本日の株式先物も黒字となっており、本日は上昇基調となることが示唆されています。市場は関税を巡る混乱が緩和されるサインを模索しているようで、今週末の米中協議が来週月曜日の市場に大きく影響する可能性もあります。
他の安全資産とともに、ゴールドが続落しましたが、本日はいくらか反発しています。景気後退への懸念が完全には拭いきれないことと、中国がゴールドの保有量を拡大していることがゴールド反発の背景のようです。ワールド・ゴールド・カウンシルによると、中国政府が米ドル依存をさらに減らしているため、4月の中国人民銀行によるゴールドの保有量は約70,000トロイオンスまで増加しており、過去6か月で100万オンス近くも増加したことが明らかになっています。
英中銀利下げ決定も予想外にも全会一致にならず、ポンド上昇
米英間での関税交渉合意に関する報道以外では、ポンドトレーダーにとっては、昨日のイングランド銀行による金利政策決定も精査する必要がありました。イングランド銀行は昨日、0.25%の利下げを決定しましたが、この決定は全会一致とは言い難いものでした。9人の金融政策委員のうち、5名が0.25%の利下げに賛成し、2名は0.50%の利下げ、残りの2名は金利の据え置きに賛成票を投じました。
イングランド銀行は昨日、関税が米経済の成長の重荷となる可能性があるものの、見通しは依然として不透明であると言及しました。ベイリー総裁は、「だからこそ、さらなる利下げについては、段階的にかつ慎重なアプローチを続けていく必要がある」と述べました。
昨日のイングランド銀行の決定および記者会見は、予想よりもハト派とはならなかったため、利下げ決定直後ポンドは上昇しました。さらに、市場はイングランド銀行による利下げ観測をすぐに後退させました。イギリスの翌日物金利スワップ(OIS)によると、市場は現在、追加で0.75%ではなく、0.55%相当の利下げを織り込んでいます。
イングランド銀行の決定前に、米英間での関税交渉成立を示唆する報道があり、ポンドのサポート材料となりましたが、トランプ大統領が合意を正式に発表すると、おそらく市場による「事実で売る」反応からか、ポンドはドル高からの圧力を受けました。