XMTradingは、アメリカ合衆国の居住者にサービスを提供していません。
極限の取引を。Visa Cash App Racing Bulls F1 Teamの誇り高きオフィシャルパートナー。詳細はこちら
• トランプ法案が米債務を膨張させるとの見方から、米ドルは続落
• 米国債も下落、30年債利回りは2023年11月以来の高水準に上昇
• 米株式は安値で引け、ゴールドなどの安全資産が上昇
• 米国とイランの新たな核協議を控え、原油は反落
米減税・歳出法案への懸念が米ドルの重荷に
昨日の米ドルは、米議会がトランプ大統領による大規模な減税・歳出法案の可決に向けてさらに一歩進んだことで、米財政懸念が強まり、これが米ドルの重しとなり、主要通貨に対して下落幅を拡大しました。
共和党が多数を占める米下院予算委員会は同法案を承認し、早ければ本日中にも本会議での採決が行われる見通しとなりました。ただし、承認されたとしても、法案は上院に送られ、そこでさらなる議論が行われる可能性があります。
昨年11月、トランプ大統領による減税公約は、投資家の期待を高め、リスク資産への投資意欲を高める要因の一つとなっていました。しかし今、投資家は当時見過ごされていた現実に直面しています。ムーディーズによる米国債の信用格付けが引き下げに続き、トランプ大統領の法案が可決される場合、今後10年間で米国の債務は約4兆ドル増加すると予想されています。
こうした懸念を背景に、投資家は「アメリカ売り」の流れに乗り、米ドル、米株式、米国債を売却する動きを強めており、これにより、米30年債利回りは2023年11月以来初めてとなる約5.10%に上昇しました。米ドルと米国債利回りが連動せずに動くのは、極めて珍しいケースです。
本日の注目はS&PグローバルPMIとNY連銀総裁の発言に
米中貿易協定が合意となり、両国間の関税戦争が休戦となったことを受け、米国では大規模な減税と歳出に対する期待が強まり、FRBは今年中に大幅な利下げを実施する必要はないとの見方が強まっています。FF金利先物によると、市場ではあと2回の0.25%の利下げが妥当と見られており、これはFRB自身の見通しと一致しています。
とはいえ、本日後半に発表される米国の5月のS&PグローバルのPMI速報値やニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁の発言は、こうした見通しに影響を与える可能性があります。発表されるPMIがさらに軟調となり、米経済見通しに対するリスクが依然として存在するとの発言がある場合には、投資家は利下げ観測を強め、米ドルはさらに下落する可能性があるでしょう。
米株価は続落、ゴールドは続伸、原油は反落
ダウ工業株30種平均は昨日、約2%の下落するなど、米主要株価指数は大幅に下落し、市場参加者は再び安全資産への資金流入の動きが強め、ゴールド、円、ユーロ、スイスフランなどが買われました。
しかし、最も顕著な上昇を見せたのはゴールドであり、イスラエルがイランの核施設への攻撃を計画しているとの報道が更なる後押しとなりました。とはいえ、石油産出国であるイランと米国の新たな核協議の開催が発表されたことで、差し迫った攻撃への懸念は和らぎました。
原油価格もまた、ポジティブなニュースからの影響を受け、イスラエルの攻撃懸念によって加算されていたリスクプレミアムが帳消しとなりました。イランはOPEC加盟国の中で第3位の石油生産国であり、紛争が起これば同国からの供給に影響が出る可能性があります。さらに、対米核協議が決裂した場合には米国による制裁強化がイランの原油輸出に重荷となり、OPECが迅速に供給不足を補わない限り、原油価格はさらに上昇することが予想されます。
ビットコインは、「アメリカ売り」の動きによる米国資産離れから、本日史上最高値を更新しました。ゴールド上昇に伴うビットコインの最近の上昇は、仮想通貨にはカメレオンのようにその性質を変貌させるという見方を裏付けます。仮想通貨はリスク関連資産のような動きをしたり、安全資産のように機能したりと簡単に切り替えることができるようです。