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・トランプ大統領とマスク氏による公の仲違いが他の進展に影を落とす
・トランプ大統領と習国家主席が交渉を再開も見通しは不透明
・本日12:30(GMT)に米雇用統計発表、注目は非農業部門雇用者数
・ゴールドは横ばい、シルバーは最高値更新
トランプ大統領とマスク氏の決裂後、リスク選好度は改善
昨日の米経済データ、ECBによる金利政策決定、トランプ大統領と習主席の電話会談に米政治を巡る混乱など、昨日のジェットコースターのようなセッション後、本日のリスク資産はいくらか回復しています。しかし、米ドルに関しては、下落の終わりが見えていないようで、ユーロに対して回復するのに苦戦しています。
米ドルは主に、トランプ大統領とマスク氏との急速な関係冷え込みから影響を受けています。トランプ大統領の提案する減税法案には、電気自動車(EV)への補助金削減が含まれており、米国の債務が今後10年間で3兆ドル増加すると予測されていることもあり、政府効率化省(DOGE)を率いてきたマスク氏は大統領と仲違いの形で政府の役職を離れました。
マスク氏は、悲しみを乗り越える典型的なプロセスから、かなり予想外の形で行動しており、「否定」の段階からすぐに立ち直り、「怒り」の段階に焦点を置いているようです。マスク氏は、トランプ大統領の名前がエプスタインファイルに含まれていることを明らかにし、スペースXの宇宙船「ドラゴン」を退役させると脅し、さらに重要なことに、関税が今年後半の景気後退を招くと確信していると述べたことで、大統領とマスク氏との蜜月関係に公に亀裂が入るきっかけとなりました。マスク氏は既に、当初の攻撃的な言動から引き下がろうとしており、おそらく、悲しみの次の段階である「交渉」にいることが示唆されています。
トランプ大統領と習国家主席との交渉が再開
この決裂ドラマが昨日のトランプ大統領と習国家主席との電話会談に水を差すことになりました。多くの投資家は、5月12日に合意した米中間の貿易協議が両国の新しい関係の始まりになると見ていました。しかし、中国によるレアアース輸出制限に関する公の小競り合いの後、政府高官による交渉が再開する必要性があったことから、米中間の関係はスムーズにはいきませんでした。米中間の交渉では、現在振り出しに戻っており、両国のリーダーの統治スタイルを考慮すると、交渉が合意に達するとしたら、それまではかなり難航することになりそうです。
次回のFOMC会合を2週間後に控え、本日は米雇用統計に注目
本日の焦点は、米経済データとなり、貿易協定にも注目が集まりそうです。記事によると、米国とカナダとの間で交渉が順調に進んでおり、6月15日にカナダで開催されるG7サミットにて、新協定が発表される可能性が高くなっています。
経済データとしては、本日、月次の雇用統計が発表され、市場の注目を独占するでしょう。ADPによる民間雇用データは低調となり、週次の失業保険申請件数が急増し、様々な企業調査での雇用サブインデックスがまちまちとなったことを受けて、本日の非農業部門雇用者数は13万件増加と予想されています。失業率は4.2%で横ばいとなると見られていますが、平均取得の年間増加ペースが3.7%に減速すると見られています。
現在の市場センチメントからすると、非農業部門雇用者数が例えば20万件を超えるような好調な数値となる場合や、または前述の予想通りとなる場合、軟調な雇用データよりも市場を動かす起爆剤となり、リスクオンの反応となるかもしれません。しかし、FRBのメンバーの多くがトランプ関税政策による影響について、依然として懸念を示していることから、FRBの見通しが大幅に変化することはないでしょう。
本日の米雇用統計の結果に関わらず、ECBが8会合連続で利下げを発表したことを受けて、トランプ大統領はFRBへの利下げの圧力を弱めるとは思われません。本日、ECBメンバーの発言、タカ派は利下げの一時停止を支持することを公にして、報道が集中するかもしれませんが、ユーロの短期的なパフォーマンスは、本日の米雇用統計とトランプ大統領とマスク氏による次の展開次第となりそうです。
ゴールドは横ばい、シルバー急騰
ゴールドは新たな底値を見つけたようで、6月上旬のセッションにて、3,340ドルが強力なサポートとして機能しています。しかし、シルバーが現在脚光を浴びており、13年ぶりの高値を更新し、36ドルを突破して上昇しています。シルバーの複数産業用途を考慮すると、経済の見通しが一層明るくなったことを示唆すると見る投資家もいるようです。その可能性もありますが、現在のシルバーの上昇基調はレアアースを巡る紛争の中、買いだめが要因となっている可能性もあります。