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・イスラエルがイランに軍事攻撃、地政学的緊張高まる
・原油価格は10%以上も急騰、安全資産上昇も株価下落
・来週の主要中銀による金利政策会合を前に、国債利回り低下
イスラエルがイランの核・弾道ミサイル施設を攻撃
イスラエルがイランの核施設と弾道ミサイル工場、そして革命防衛隊本部を標的に空爆したことで、中東地域には再び緊張が高まっています。イランの革命防衛隊の司令官が死亡したと報じられており、またこの空爆で6人の核科学者も死亡した模様で、標的となったのは軍事組織のリーダーだけではなかったようです。
イランは既に、100機以上もの無人機を発射して反撃を開始しており、ほとんどの無人機はイスラエルのアイアン・ドーム防衛システムによって遮られることになりそうです。
このイスラエルによる攻撃は、イランが米国と限定的な核プログラムを維持するように新しい核合意を交渉している最中に起こりました。米国は昨晩起こった空襲に関与していないと表明したものの、日曜日に予定されていた次回の会談はイランが中止を決定しました。
原油価格はイスラエルによる攻撃直後上昇
イスラエルによるイランへの攻撃の報道とともに、原油価格は急騰しました。WTI原油とブレンドはともに当初10%以上も急騰し、その後の欧州取引時間中にその上昇ペースは緩和し、上昇は6%ほどになっています。
イスラエルがイランの石油施設を攻撃したと示唆する材料はありませんが、この攻撃拡大によって、地域の紛争がより長期化し、広範に及ぶなど悪化する可能性があります。少なくても、近い将来の核合意の可能性は消滅し、今後数日間で状況が緩和されたとしても、原油価格のサポートとなるでしょう。
米ドルは3年以上ぶりの安値から反発
低迷していた米ドルを含める安全資産も上昇しましたが、株式市場は下落基調です。本日の米ドルは、地政学リスクの高まりから、これまで失われていた魅力の一部を取り戻したようです。今週の米消費者物価(CPI)指数と生産者物価(PPI)指数が予想を下回ったことで、FRBの利下げ観測が高まったにもかかわらず、米ドルは、日本円やスイスフランといった他の安全資産通貨以上に上昇しています。
しかし、より広範な視点からは、関税を巡る混乱が早急に解決される見通しがないことから、米ドルはしばらく苦戦すると見られています。一方で、トランプ大統領がFRBの金利政策に再度干渉するとの見通しが高まっています。
昨日はまた、トランプ大統領が高い金利により、政府が年間で6,000億ドルもの金額を債務返済に充てなければならないことに不満を表し、「何かする必要があるかもしれない」と述べました。
7月9日の期限までに、他国が貿易協議に合意しない場合、一方的な関税率を課すとトランプ大統領は発言しており、FRBに対するこの発言で、市場の懸念に拍車がかかりました。
本日の焦点は、ミシガン大学による消費者信頼感調査となるでしょう。この調査前に、米ドルは主要通貨に対して約0.30%上昇しており、昨日の3年以上ぶりの安値から回復しています。
来週の日銀政策会合を控え、円高
日本円は米ドル以外に対しては上昇しており、来週の日銀政策会合での利上げは予想されていないものの、日銀関係者が国内のインフレ率が年内に予想以上に加速すると想定しているとのブルームバーグの報道によって、さらに押し上げられています。
来週の日銀政策会合では、長期利回りが急激に上昇することが懸念される中、日銀による債券買い入れ計画が焦点となる見通しです。しかし、国債買い入れの減額ペースが発表となる場合、短期金利に関して、よりタカ派的な見解を伴う可能性があります。
ゴールド上昇、株価は急な売りとはならず
一方、ゴールドは3,400ドルを突破し、4月に更新した史上最高値である3,500ドルに向かっています。イスラエルとイランとの間の軍事的緊張が一層高まる場合、ゴールドは最高値を更新する可能性があります。しかし、米国が期限までに主要な貿易相手国と新しい貿易協議に合意するかどうかについて疑念が生じていることからも、ゴールドにとっては短期的に大きな追い風となっています。
これらすべての不確実性を考慮しても、株式市場が比較的順調であることは唯一の驚くべき現象です。本日のアジア株式市場の下落幅は1%未満となり、欧州株と米先物の下落幅も現在1%から1.5%となっています。