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複数の不安要素の中、米ドルは週間の上昇を維持
米ドルは昨日の一進一退の動きにもかかわらず、今週も再び上昇で終える見通しとなっています。本稿執筆時点では、ユーロ/ドルは1.16を上回る水準で推移しており、ポンド/ドルは1.3430近辺で推移しています。しかし、最も大きな値動きが見られるのは、ドル/円とオセアニア通貨(豪ドル・NZドル)であり、ドル/円は149円台の明確な突破に苦戦しています。
米ドルにとって「転換の月」とも言える7月の米ドル相場は、関税に関する多くの報道が目白押しで、FRBに関する憶測が絶え間なく続く中で展開されました。8月1日の期限に向けたカウントダウンがすでに始まる中、投資家たちは次なる貿易合意の発表に依然として神経をとがらせています。しかし、中国が今回の関税交渉の対象外となっていることから、市場は現在進行中の関税騒動を比較的冷静に受け止めています。
この動きは主に米国株に顕著に表れており、今週の米国株は先週の下落分を一部取り戻し、上昇しています。S&P500とナスダック100の両指数は一夜にして史上最高値を更新しましたが、これはFRB関係者の発言、特にウォラーFRB理事によるハト派的な発言が一因となっています。
FOMCメンバー、7月30日の会合を前に手の内を明かす
7月19日(土)からFOMC会合が実施される7月30日(水)まではブラックアウト期間となるため、FOMCメンバーたちは急いで自らの見解を発信しています。具体的には、クーグラーFRB理事は最近のバランスの取れた姿勢を維持し、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、6月のドットプロットとも一致する、年内2回の利下げを見込んでいるとの見解を繰り返しました。ハト派のFRBメンバーにとっては残念なことですが、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁が7月の利下げに賛成する3人目のメンバーとなり得たものの、同氏は2027年まで投票権を持ちません。
したがって、投票権を持つウォラーFRB理事とボウマンFRB副議長が引き続きハト派陣営の先頭に立ち、特にウォラーFRB理事は7月の利下げ支持を再度公表しています。同氏は関税の影響を一時的と見なし、FRBが関税の影響を材料視する必要性は低いと考えているようです。これはパウエルFRB議長らがを利下げサイクルを再開するうえで最大の障害となっている要因を事実上取り除くことになります。
非常に興味深いことに、ウォラーFRB理事は7月の利下げを求めている一方で、その後は関税によるインフレへの影響を見極めるために一時停止にも前向きな姿勢を見せています。超タカ派の人物として知られるウォラーFRB理事が、今後18か月で少なくとも1.50%の利下げを求めていることは、やや奇妙な戦略に見えます。7月利下げの可能性は極めて低いと思われますが、ウォラーFRB理事の発言ぶりは、彼を次期FRB議長候補としての位置づけを保つ要因となっています。
日本の参議院選挙にも注目
日米間の貿易交渉が膠着状態にある中、投資家の関心は7月20日(日)に行われる参議院選挙に移る可能性が高いでしょう。石破首相の支持率が最近わずかに上昇したものの、与党連立2党が参議院で過半数を維持するには日曜日の選挙で少なくとも50議席を獲得する必要がありますが、その見通しは厳しいものとなっています。
政権が堅調な選挙結果を残し、参院の過半数を確保する場合は、円相場には好材料となる可能性があります。しかし、石破首相の生活費高騰に対応するための現金給付やその他の支援策は、日本の債務が膨れ上がる中で逆効果と見なされる可能性があり、当初の円高反応は薄れる可能性があるでしょう。
しかし、石破首相率いる連立与党が過半数を獲得できなかった場合、市場の反応はおそらくさらに厳しいものになるでしょう。そのような結果になれば、石破首相の辞任を求める声が高まり、解散総選挙が実施される可能性さえあります。この場合、日本債利回りはおそらく上昇するでしょう。円を支持する小規模な安全資産への資金流入だけでは、ドル/円の急激な上昇を食い止めるには不十分かもしれません。
ステーブルコインが主流化に向けて大きく前進
米下院が、上院で可決済みの「GENIUS法案」を承認したため、「暗号資産ウィーク」はステーブルコインにとって実りの多い週となりました。この法案は、ステーブルコインに対して、監督体制、準備金要件、定期的な監査の導入を定めるものです。
この法案の承認による期待はすでに暗号資産を押し上げ、ビットコインは現在およそ12万ドル付近で推移しています。しかし、今回の動きで最も恩恵を受けているのはイーサリアムとなっています。これは、ほとんどのステーブルコインはイーサリアムのブロックチェーン上で発行されていることが背景にあります