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リスクオン回復にもかかわらず米ドルは下落
米ドルは新しい週を下落基調でスタートし、ユーロやポンドに対して下落し、先週苦労して得た上昇分を早々に失いました。米ドル安の明確な要因はなく、投資家は今後控える重要な米決算報告や、継続する関税問題、及びFRBの不確実性に備えています。注目すべきは、ゴールドが一晩で3,400ドルに達したことで、一部の市場参加者が今後のより広範な見通しに対する懸念を抱き続けていることを示しています。ゴールドはリスクオフの流れが後退した現在の状況下でさえも、非常に底堅いことを証明しています。
一方、S&P500とナスダック100の両指数は昨日史上最高値を更新し、大手ハイテク企業の決算発表を待つカウントダウンは、ほぼ終わり近づいています。アルファベットとテスラは、水曜日の米国市場の取引終了後に第2四半期の決算と今後の見通しを発表する予定です。マイクロソフトをはじめとする殆どの残りの大手ハイテク企業は、来週決算を発表する予定です。
注目すべき点として、控えめなリスクオンムードの中、今週のビットコインは下落しており、他の暗号資産、特にイーサリアムやXRPに対して大きく下回ったパフォーマンスとなっています。先週可決されたGENIUS法の承認と、上院に提出中の2つの暗号資産関連法案は、ビットコインには不利に働きながらも、ステーブルコインやアルトコインを押し上げています。それでも、暗号資産の王様として君臨するビットコインは、今年に入ってから依然として25%上昇しており、主要な株価指数の多くを上回るパフォーマンスを見せています。
関税に関して真の進展はなし
米政権は引き続き、関税に対して「アメとムチ」のアプローチを取っています。ある日は、各国が合意に前向きで交渉が順調に進んでいると報じられ、一方で別の日には、リービット米大統領報道官が追加での関税書簡を出す可能性が示唆されます。特に、EU、インド、及び日本との交渉は行き詰まっているようで、おそらくこれらの国々がまだ譲歩していないためと見られています。
8月1日の関税発動期限が目前に迫る中、重要な貿易合意がほとんどまとまっていないことから、トランプ政権の要求を受け入れるように各国に圧力をかけるために、数日間だけ追加関税が発動される可能性が高まっています 。その後、トランプ大統領は交渉の時間をさらに確保するため、再び9月1日や他の重要な日までの関税発動期限の延期を決定する可能性が高いとみられています。
トランプ大統領がFRBに求めるものは
市場は概ねトランプ大統領の関税戦略を理解しているものの、FRBに対する本当の意図については殆ど見当がついていません。トランプ大統領は引き続き利下げを要求しており、ECBに比べて米国が高い金利を保っていることについて、パウエルFRB議長を非難しています。
トランプ大統領は、パウエルFRB議長の後任として、既に作成済みの議長候補者リストの中から、トランプ大統領により従順な人物に交代させたいと考えていますが、実現には2026年5月まで待たなければなりません。しかし、パウエルFRB議長の進退に関する憶測が続き、彼の任期中に「影のFRB議長」がFOMC会合の決定に影響を及ぼす可能性があることは、投資家にとって最悪のシナリオと言えるでしょう。
興味深いことにパウエルFRB議長と利下げ派のボウマンFRB副議長の両氏が、本日後半に発言予定です。本日、パウエル議長が金融政策について言及し、利下げの見送りが予想されている来週のFOMC会合に向けた地ならしをするのではないかという見方が強まっています。ただし、現在はブラックアウト期間中であるため、本日に金融政策の見通しに関する発言がある公算は低いでしょう。
円の先行きは不透明
現職の石破首相が惨敗した日曜日の選挙結果を受けて、円の投資家は平然を装っていますが、日本経済の先行きには不透明感が漂っています。膠着した日米貿易交渉で突破口を見いだせず、貿易協定の締結を見通せない状況は、既に失速した日本経済の状況を一段と悪化させています。日本の重要産業を守る内容で米国との合意が成立した場合のみ、石破首相が総裁の地位を維持し、年内利上げの可能性が再浮上するかもしれません。本稿執筆時点では、ドル/円はじりじりと上昇しており、次の重要なレジスタンスラインは149.57円となっています。