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新たなトランプ関税で不透明感が再燃
穏やかな8月への期待はあっという間に打ち砕かれる中、ボラティリティトレーダーたちは今回の関税発表を歓迎していることでしょう。トランプ大統領が関税問題に再び焦点を戻したことで、最近過度に楽観的になっていた投資家たちの不安をかき立てています。
インドはロシアとの経済関係を理由に、「追加関税」を初めて受ける国となりました。全体の関税率は50%に引き上げられ、8月27日から適用される予定です。興味深いことに、トランプ大統領は同様の大幅な関税引き上げ対象から中国を排除しませんでしたが、ナバロ通商顧問はその可能性をすぐに否定する発言をしました。
一方で、スイス大統領は米国を訪問したものの、合意に達することはできず、トランプ大統領は先週発表した39%の関税率維持の姿勢を崩していません。スイス中銀は多少のインフレ進行や、若干のスイスフラン安を歓迎するかもしれませんが、現時点ではどちらも起きていません。日本から米国への輸出に15%の追加関税が課される可能性が報じられ、同様に円も慎重な動きを見せています。重要なのは、両国がわずか15日前に貿易協定を締結したばかりであるにも関わらず、こうした報道が不安材料となっている点です。
しかし最も注目すべきは、トランプ大統領が、米国へ輸入されるチップと半導体に対して100%の関税を課すと発表したことです。生産拠点の移転が複雑で数年に及ぶプロセスであることを認識しつつも、トランプ大統領はアジアに生産拠点を持つ、多くの米国ハイテク企業を罰する選択をしました。特筆すべきは、アップルは米国内に追加で1000億ドルの投資を約束し、投資総額を6000億ドルに引き上げたため、今回の関税対象から外されました。
米株式市場は上昇、米ドルは依然として下落基調
新たなトランプ関税発表にもかかわらず、米株価は回復を続けています。昨日には堅調な上昇を記録し、火曜日の下落分を帳消しにしました。注目すべきは、今週のS&P500指数において、景気に敏感な一般消費財株が力強い上昇を主導しており、強力なハイテク株を上回るパフォーマンスを見せている点です。
しかし、米ドルは同様の展開にはならず、今週は全体的に下落基調となっています。ユーロ/ドルは1.1700の水準を試す展開となっており、ドル/円も関税関連の報道があるにも関わらず、本日はやや下落しています。暴落したポンドでさえ本日は上昇しており、ポンド/ドルは5日連続の上昇となっています。
注目すべきは、今週は米ロ交渉で進展があり、来週にはトランプ大統領がプーチン大統領とゼレンスキー大統領との3者会談を行う可能性がある中で、ゴールドが本日再び上昇している点です。ゴールドの上昇は、根強い米ドル安に加え、3カ国の会談が有意義ものとなるとの期待が乏しいためと見られています。
FRBメンバーの発言が9月の利下げを示唆
FRB のパウエル議長は、この最新の動向を歓迎する数少ない当局者の 1 人でしょう。関税の不確実性の再燃、及びインフレへの影響は、最近の FOMC での彼の「様子見」姿勢を正当化するものです。とはいえ、FRB メンバーの発言は、市場のFRB の9月利下げを認める姿勢を徐々に明らかにしており、これが米ドル安の一因となっています。本日、アトランタ連銀のボスティック総裁が発言を行う予定ですが、水曜日のサンフランシスコ連銀のデーリー総裁とミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の発言から、大きく逸脱した内容になるとは考えにくいでしょう。
一方で、クーグラーFRB理事の後任をめぐる議論は続いています。同氏の後任が、パウエル議長の任期終了後、議長の座を引き継ぐ最有力候補になるのではないかと推測する声もあります。しかしながら、トランプ大統領の手法としてはあまりにも単純明快すぎるように思えます。
本日、英中銀の利下げ決定とハト派的姿勢が見られるかに注目
本日遅くに英中銀の会合が開催予定で、市場では利下げが広く予想され、完全に織り込まれています。主な不確定要素は、声明文および記者会見の全体的なトーン、金融政策報告書における四半期ごとのインフレ見通し、そして投票の内訳です。特に投票の内訳は、今後の利下げ観測にとって決定的な影響を与える可能性があります。もし本日の会合で、0.50%の利下げを主張する超ハト派と、金利据え置きを支持する超タカ派の間で意見が割れるようなことがあれば、なおさらのことです。
ポンドは対ユーロでの上昇を切望していますが、英中銀の会合はハト派的な内容になるとの見方が強くなっています。もしそうなれば、ユーロはポンドに対し、直近高値の0.8753を上回り、1年半ぶりの高値を更新するかもしれません。一方で、よりバランスの取れた会合内容となった場合には、ポンドに対する需要がそれなりに高まり、ユーロ/ポンドは0.8670付近まで押し戻される展開も考えらます。