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• 市場は利下げの方針を巡りパウエル議長の講演を待つ中、方向感を欠く展開
• ジャクソンホール会議のパウエル議長講演を前に、FOMC議事要旨はタカ派的なトーンを示す
• 米ドルは小幅上昇、米株式市場はハイテク株急落後安定
• ユーロは予想を上回るユーロ圏PMI速報値を受け上昇

FOMC議事要旨は、FRB内の新たな対立拡大を示さず
昨日、各国の中央銀行関係者が集まる注目のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を翌日に控える中、7月のFOMC議事要旨が公表され、会議を前にタカ派的なトーンが示されました。ウォラー理事とボウマン副議長が0.25%の利下げに票を投じたことに続き、議事要旨では、米雇用への下振れリスクを重く見る姿勢を示したのはこの2人だけであり、大半の当局者は高関税がインフレに与える影響をより重視していたことが明らかになりました。
議事要旨ではまた、米国の経済活動が鈍化したことを認めつつも、関税が多くの当局者の間で大きな懸念となっており、一部当局者は長期的なインフレ期待が不安定となるリスクを指摘しました。
議事要旨の公表後、米ドルは反発しました。本日もその上昇を続けており、議事要旨発表前の下落分を回復しています。米ドル高はゴールドにとって重しとなりましたが、その影響は限定的でした。一方で、米株式市場は金曜以降の急落を受けた「押し目買い」が入ったため、ドル高の影響を殆ど受けませんでした。
パウエル議長の金融政策の方針転換の有無に注目が集まる
全体として、市場は様子見の姿勢を続けています。というのも、パウエル議長の姿勢は、7月の米雇用統計が発表される数日前に行われた前回のFOMC会合以降、変化している公算が大きいためです。7月の米雇用統計では、過去数か月分のデータが大幅に下方修正されたことで、米労働市場に減速の兆しが見え始めていることが明らかになりました。
しかし、その後数日内に発表された米CPIと米PPIのデータは、関税によって引き起こされるインフレ懸念がある程度正当であったことを裏付けました。
現在の焦点は、パウエル議長が9月だけでなく、それ以降の利下げ実施を明言をするのか、それとも慎重に、よりハト派寄りの姿勢に傾けるだけにとどめるのか、という点です。
ジャクソンホール会議の講演が期待外れの場合、米ハイテク株は下落の可能性
米ドルはパウエル議長が明日、9月会合以降の利下げを明言するような市場の期待する大きな政策転換に応えなかった場合、ここ1週間の小幅な反発がさらに拡大する可能性があります。一方で、米株式市場は、今週のAI関連株の売りを受けて、よりボラティリティがより高くなるリスクがあるかもしれません。市場は押し目買いが入ったことで、一時的に下支えされているものの、大手ハイテク株のさらなる下落を否定するには時期尚早です。
とはいえ、多くのトレーダーは株を売り急ぐよりも、来週のエヌビディアの決算発表を待つことを好むかもしれません。
しかし、本日は米小売業に注目が集まる見込みで、ウォルマートが市場開場前に第2四半期の決算を発表する予定です。
好調なユーロ圏と英PMI速報値を受け、ユーロとポンドが小幅上昇
欧州の株式市場は、8月のユーロ圏PMI速報値が予想を上回ったことに対し、まちまちな反応を示し、ドイツのDAX指数は小幅に上昇しました。ユーロもほとんど変わらず、対ドルで1.1650付近の非常に狭いレンジで推移しています。
ポンドも、英国のPMI速報値が予想を上回ったことを受けて、一連の下落局面の止まりを試みていますが、PMI速報値で上昇が確認されたのはサービス部門のみでした。昨日発表された予想を大きく上回る英CPI指数は、ポンドの上昇にはあまり好材料とはなりませんでした。
また本日は、S&Pグローバル社の米PMI速報値が13:45(GMT)に、米週間新規失業保険申請件数が12:30(GMT)に発表されるため、これらにも注目が集まっています。
本日、円はやや下落しています。円はここ数日は、最近相次ぐ不調な国債入札を背景に、日本国債の長期金利が急上昇したことから恩恵を享受していました。本日早く、日本の10年物国債利回りは1.614%と、17年ぶりの高水準を記録しました。
ゴールドは高値圏からやや下落、原油は上昇
一方、ゴールドはセッション中の高値圏である3,350ドル台をわずかに上回る水準から下落しており、この範囲が再び、ゴールドにとって重要なサポートとレジスタンスの範囲であることが示されています。
しかし、原油価格は2日連続で上昇しており、直近の米週間石油在庫統計が夏場の強い需要を示唆したことが好材料となっています。