デイリーコメント – 市場は米インフレ指標に注目

投稿日: 2025年10月24日20時01分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 市場はFRBよりもハト派的な利下げ観測を維持
  • 本日発表のデータが米インフレ加速を示す場合、利下げ観測後退と米ドル一段高の可能性
  • ポンドと円は続落、ユーロ圏PMIの上昇を受け、ユーロは反発
  • 米政府が米中首脳会談の開催を公言し、米株価は上昇

本日の米CPIデータのFRBのハト派的利下げ観測への影響に注目

米ドルは殆どの主要通貨に対して下落しましたが、円とポンドに対しては上昇しました。これは米ドルが上昇の好材料を得たというよりも、日本と英国のそれぞれの事情が円とポンドの重しとなったことが要因でしょう。

米ドルトレーダーは、米中間の貿易協議に関する報道を注視しています。しかし本日は、長引く米政府閉鎖で発表が遅れている9月の米消費者物価指数(CPI)にも注目が集まると見られています。

9月の米ISM非製造業景況指数(PMI)のサブインデックス価格指数がわずかに上昇したことを踏まえると、本日発表の米CPIは上振れリスクがあるかもしれません。実際、クリーブランド連銀CPIナウの予測では、前年比3.0%のインフレ率が示されており、8月の2.9%をやや上回っています。一方で、本日発表されるデータでは、総合CPIが前年比2.9%から3.1%へ上昇し、コアCPIは3.1%の横ばいになると予想されています。

したがって、米国のインフレが長期化し、さらに本日後半に発表されるS&Pグローバル社のPMI速報値が堅調な結果となった場合、投資家は積極的な利下げ観測をやや後退させるかもしれません。これが、米ドルにとってはプラス要因となるでしょう。FF金利先物によると、市場はFRBの最新ドットプロットで示された年内2回の0.25%追加利下げが必要との見方には概ね同意しています。しかし、2026年については、FRBが1回のみと想定しているのに対し、市場はさらに3回の追加利下げを見込んでいる状況です。

ポンドと円は続落、ユーロはPMI速報値を受け、反発

英国の9月小売売上高が予想を大きく上回る結果となったにもかかわらず、ポンドは依然として下落基調となりました。市場は水曜日に発表された英CPIの予想を下回る結果をいまだ消化中のようで、現在トレーダーはイングランド銀行が年末までに0.25%の追加利下げを行う確率を80%と織り込んでいます。

ユーロは、10月のS&Pグローバル社のPMI速報値が予想を上回る結果となったことを受け、やや反発しました。これにより、ECBによる予想外の利下げ観測は後退しました。

円は下落を続けています。これは高市首相の金融政策に対する姿勢を受け、市場が日銀の年内追加利上げに懐疑的になっていることが背景にあります。とはいえ、本日発表された全国消費者物価指数(CPI)の上昇は、追加利上げを正当化する材料となっています。

米中関係への楽観論と堅調な米決算報告の中、米株価が上昇

米株式市場では昨日、主要3指数がそろってプラスで取引を終え、ナスダックは0.89%上昇しました。トランプ大統領は、いわゆる「虚偽広告」を理由にカナダとの貿易交渉をすべて打ち切ったと発言したものの、投資家の関心は依然として米中関係に集中していました。

米政府が来週、トランプ大統領が中国の習近平国家主席との会談を発表したことを受け、市場のリスクセンチメントは向上しました。さらに、好調な米企業決算も市場参加者に歓迎されています。これまでにS&P500に属する企業の4分の1以上が決算を発表しており、そのうち86%がアナリスト予想を上回る結果となっています。

米先物およびアジア株式も本日は上昇しています。これは、リスクセンチメントの高まりに加え、米国市場の取引終了後に発表されたインテルの決算が予想を上回ったことによるものです。

ゴールドが下落を再開、ロシアへの制裁発表後も原油価格は堅調推移

ゴールドは水曜日に反発しましたが、本日は再び下落しています。これは恐らく、投資家は依然としてFRBが最新のドットプロットで示したよりも多くの利下げを予測しているものの、リスク資産への関心を強めていることが起因しているのでしょう。米国のインフレ加速を示すデータは、ゴールドを押し下げる可能性がありますが、中国を含む各国の中央銀行が依然としてゴールドを積み増していることから、ゴールドの下落相場への転換と判断するには時期尚早かもしれません。

原油価格は昨日も上昇を続け、火曜日の反発以降、およそ10%の急騰となりました。これは、ロシアのウクライナへの攻撃を受け、米政府がロシアの主要な石油会社であるロスネフチとルクオイルに制裁を科すと発表したことが背景にあります。

原油価格は主要なレジスタンスラインである63.00ドル付近でやや落ち着きを見せました。しかし、中国とインドがロシア産原油の輸入停止を決定したことから、原油供給不足への懸念は依然として高いままです。このため、原油価格の上昇がさらに続く公算が大きいでしょう。