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・米インフレは顕著な減速示し、ハト派的な利下げ観測を裏付ける
・米CPI指数は政府機関の閉鎖で正確性を欠く可能性も、米ドルは安定
・英中銀は利下げ決定、今後の利下げペース減速を示唆、ECBは金利据え置き決定
・日銀は利上げ決定も市場が次の明確な方向性を模索で円安に

米インフレは予想以上に減速
昨日の米CPI指数は、11月の米インフレが予想以上に減速したことが明らかになったものの、昨日の米ドルはまちまちとなり、ほとんどの主要通貨に対して実質横ばいで取引を終えました。
総合CPI指数とコアCPI指数は、9月の3.0%からそれぞれ2.7%と2.6%まで減速したため、特に、今週発表された米雇用統計にて、労働市場のさらなる軟化が指摘されたことと受けて、FRBが来年末までに1回以上の利下げを行う必要があるとの見解を裏付けました。
しかし、労働市場と物価に関する米経済データは、政府機関の封鎖によって正確さが欠けている可能性もあり、おそらくそのためか、米ドルは深刻な下落に陥らなかったのかもしれません。FF金利先物もそれほど変動はなく、来年は合計で0.60%の利下げ幅となるとの予想を依然として維持しており、1月のFOMC会合での利下げ確率は25%となっています。合計0.60%の利下げとは、0.25%の利下げが2回とさらに3回目の利下げとなる確率がほぼ五分五分ということを意味します。
英中銀は利下げの頻度減少示唆、ECBは利下げ終了との見解を裏付ける
イギリスでは、イングランド銀行が5対4の投票で利下げを決定しました。ベイリー総裁は見方を改め、利下げに投票したため、利下げが決定しました。しかし、市場は既にこの利下げを完全に織り込んでおり、英中銀も緩和サイクルの大仕事のほとんどが終了したことを示唆していたため、この発表時にポンドは上昇しました。ベイリー総裁は、「金利は引き続き緩やかな低下軌道にあると考えている」と述べ、「しかし、利下げの度に、どこまで引き下げるのかの判断が微妙になる」と付け加えました。
来年については、市場は合計で約0.36%の利下げ幅を織り込んでおり、FRBと比べると、それほどハト派的見通しではありません。そのため、特に英経済の成長に関する経済データがいくらかの回復を示し始めるような場合、ポンドは米ドルに対してもう暫くの間上昇する可能性があります。
英中銀の決定から数時間後に、ECBも金利政策を発表しました。大方の予想通り、ECBは金利を据え置き、ユーロ圏の経済成長率とインフレ予測を上方修正し、ECBは利下げを終了したとの市場の見方をさらに裏付けしました。しかし、ECB関係者は、高まる不確実性の中、利上げか利下げといった方向性についてはどちらも否定できないとし、今後の利下げの可能性も明確に残しました。
ECBによる金利政策決定を受けて、市場は来年の9月までに利上げとなる可能性を約35%から50%まで引き上げたため、ユーロは当初はいくらか上昇しましたが、その後下落しました。
日銀は利上げ決定も次の利上げへの手掛かり少なく、円安に
本日のアジアセッションにおいて、日銀が金融政策を発表しました。日銀は今年二度目となる利上げを決定し、政策金利を1月に引き上げた0.50%から0.75%に引き上げました。利上げの決定は全会一致で支持され、日銀の声明文では、実質金利は依然として「大幅にマイナス」であるとし、金融環境は概ね緩和方向で保たれていることが指摘されました。したがって、日本経済が日銀の予測通り改善する場合はさらに利上げを行う準備があることが示唆されました。
とはいえ、タカ派の利上げ決定となったにもかかわらず、円は下落しており、ドル/円は156円台を突破して上昇しています。おそらく、日銀が再び利上げを行う時期について、市場がもっと具体的な手掛かりを探していたためかもしれません。植田総裁は、記者会見にて、日銀がさらに利上げを行う準備があることを強調しましたが、どの程度の利上げをどれほど早く進めるのかについては、慎重に判断する必要があると言及しました。