デイリーコメント – 市場参加者は本日の米雇用統計に注目

投稿日: 2026年1月9日20時58分(JST)投稿. 詳細を読む JP Blog
  • 政府公式の米雇用統計発表を前に、米ドルは上昇
  • 米労働市場が回復の兆しを示す場合、FRB利下げ観測が後退する可能性
  • 円は1年ぶりの安値に接近、新たな為替介入への警戒感が高まる
  • 米雇用統計発表を控え、米株価はまちまち、原油はイラン情勢を背景に反発

米労働市場は回復へと向かっているか

米ドルは、先週分の米新規失業保険申請件数がやや増加した後でも、主要通貨に対して上昇基調を維持しました。

米国政府機関閉鎖後、初めて通常通りに発表される本日の米雇用統計について、投資家は堅調な内容を予想しているようです。市場予想では、非農業部門雇用者数(NFP)は前月の6.4万人から6.6万人へ小幅増加し、失業率は4.6%から4.5%へ低下すると見込まれています。また、平均時給は前年比3.5%から3.6%へ上昇が予想されています。

ADP雇用者数で示された民間雇用の回復や、米ISM非製造業PMIの雇用サブ指数が拡大圏へ戻ったことに続き、米労働市場が回復し始めていることを示唆するさらなる反発が確認されれば、トレーダーはFRB利下げ観測を後退させる可能性があります。これは賃金が上昇する場合、なおさらです。

現在、市場では年内に0.56%相当の利下げ、すなわち2回強の0.25%利下げが行われると織り込まれていますが、これは1回のみと示唆したFRBの最新のドット・プロットとは対照的です。また、アトランタ連銀のGDPナウでは、第4四半期のGDP成長率が前期比年率5.4%へ上方修正されています。こうした中で、本日後半の雇用統計が堅調な内容となれば、投資家は利下げ観測を後退させ、米ドルの回復がさらに拡大するかもしれません。

円相場は潜在的な為替介入圏内に接近

本日は円が最も大きく下落しています。これは、日中間の地政学的緊張の高まりや日本の実質賃金の鈍化を背景に、日銀が近い将来に再び利上げできるかどうか、投資家が懐疑的になっているためかもしれません。

ドル円は、12月19日の高値である157円77銭に接近しています。この水準を上抜けると、約1年ぶりの高値圏となり、日本財務省が新たな為替介入への警戒発言を出す可能性があります。

米株式市場は、米雇用統計発表を前にまちまちで取引を終える

米株式市場では、主要株価指数が昨日の取引をまちまちで終えました。ダウ平均は小幅上昇したものの、ナスダックは下落し、S&P500はほぼ横ばいで取引を終えました。テクノロジー株は、本日の米雇用統計の好調な結果への期待から、金利が長期間高止まりし、株価の現在価値が低くなると解釈され、下落しました。一方で、防衛関連株は、トランプ大統領が予想を上回る1.5兆ドル規模の国防予算を求めたことを受けて上昇しました。

バリュエーションは依然として高止まりしていることから、投資家は重要なデータ発表を前に慎重姿勢を強めているかもしれません。ただし、AIバブルが崩壊したという証拠はありません。2025年に米株価を史上最高値へ押し上げた要因は依然として健在であり、特に米国経済の驚異的なパフォーマンスが予測されていることがそれを裏付けています。

アルファベットは大手ハイテク企業の中で上昇した数少ない企業となりました。これは同社が前日に時価総額でアップルを2019年以来初めて上回り、米国で2番目に価値の高い企業となったことが背景にあります。

イラン情勢の緊張により原油価格が急反発

昨日の原油価格は、イラン情勢が緊迫化し、イランの石油生産への影響が大きく懸念されたことから大幅に反発しました。イラン国内では、経済的困難に対する抗議活動が続く中、昨日は国内のインターネット接続が遮断されたことが報告されました。

しかし、世界的な在庫が増加し続ける中、近い将来でのベネズエラ産原油の販売量に制限がないため、供給過剰への懸念は依然として残っています。そのため、イラン情勢が大きく悪化しない限り、原油価格の反発は限定的で短期間に留まるとみられています。