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• 1月の米CPI指数は3.0%に上昇、パウエル議長はFRBはまだやるべきことがあると発言
• 米利回りが急上昇も米ドルは上昇を維持できず
• トランプ大統領はプーチン大統領とウクライナ戦争終結への交渉開始を発表も、ゴールドは上昇維持
• ユーロは戦争終結への期待で上昇、ポンドは予想外に好調な英GDPを受け上昇
パウエル議長、米CPI指数の予想外の上昇にインフレ再加速の危機感
FRBパウエル議長が昨日、下院金融サービス委員会での議会証言を行った矢先、最新の米インフレデータが発表され、 FRBの信頼性を問う形になりました。1月の米CPI指数は、横ばいの前年比2.9%という予測を上回り、3.0%上昇しました。前月比では2023年8月以来の大きな伸びとなる0.5%上昇、一方でコアCPI指数は前年比3.3%に上昇しました。
このデータにより、インフレ圧力が弱まりつつあるという期待は打ち砕かれ、特に、コアサービスCPI指数が前月比0.8%上昇したことは、FRBにとって大きな打撃となりました。パウエル議長が半期に一度となる議会証言の2日目として下院金融サービス委員会で発言している最中に、この1月のデータが発表されました。
パウエル議長は大筋で原稿から逸れることはありませんでしたが、インフレに関して「まだやるべきことがある」と認めながらも、全体的なトーンはより慎重な姿勢を示すものでした。
米ドルは米利回りと逆行
米10年債利回りは、パウエル議長の議会証言で発言と予想を上回る米CPI指数の発表を受け、1週間の上昇幅を拡大し、3週間ぶりの高値となる4.66%をつけました。しかし、米ドルは米利回りと同様な動きとはならず、主要通貨に対するドル指数は本日、3日連続のマイナスのセッションとなっています。
米ドルは、米CPI指数発表後の一時的に急騰したものの長続きせず、投資家は米ドルをさらに押し上げることに慎重な姿勢を示しているようです。FRBの利下げ観測がさらに後退しているにもかかわらずドル安となっていることは異例です。現在、投資家は2025年の合計利下げ幅をわずか0.30%と織り込んでおり、一部のアナリストはFRBが年内いっぱい利下げを見送る可能性もあると予想しています。
トランプ大統領、ウクライナ戦争終結の交渉を開始
米ドルが不調な理由は不透明となっています。おそらく一部のトレーダーは、パウエル議長がトランプ大統領からの圧力に屈し、利下げに踏み切るのではないかと考えているのかもしれません。トランプ大統領は昨日再びFRBに利下げを要求し、「今後の関税と歩調を合わせることになる」と主張しました。
昨日、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領とウクライナ戦争の終結に向けた協議を開始することに合意したと発表し、安全資産としての需要が減少したこともドル安の一因の可能性があります。
和平のための努力は好ましいことでしかありませんが、トランプ大統領が初めにウクライナのゼレンスキー大統領と話し合うことなく、プーチン大統領との電話会談で協議を進めているように見えるため、ヨーロッパ諸国や特にウクライナでは警戒が強まっています。
ユーロは上昇、相互関税発表の可能性がある中、ゴールドも上昇
市場の反応はまちまちで、欧州の国境地帯が平和になれば、欧州のエネルギー価格が低下する可能性があるとの見方から、ユーロは本日上昇しました。しかし、ウクライナ戦争が終結する可能性は、まだゴールドには反映されていません。
ゴールドは本日、火曜日の史上最高値2942.70ドルに向けて上昇しており、投資家はさらなるトランプ関税の決定に対して神経質になっているようです。
トランプ大統領が木曜日に相互関税に関する新たな大統領令に署名するとの観測があり、米株式市場の動揺を招くリスクが高まっています。世界の株式市場はこれまで関税関連の報道を概ね受け流しており、米CPI指数に対しても米株式市場で過度な反応は見られませんでした。しかし、もし市場参加者がトランプ大統領が関税政策の手を緩めないと判断すれば、その状況が一変する可能性があります。
円とポンドも上昇
円は安全資産への流入や、日本の国内企業物価が予想以上に上昇したことが、日銀の追加利上げの可能性を高めていることから、上昇しています。
ドル/円は直近で154円を若干下回る水準で取引されており、ポンド/ドルは予想外に好調な英GDPデータを受けて1.25ドル台に向けて上昇しました。英経済は、2024年最後の3ヵ月間で、前期比0.1%増と、小幅な縮小の予測に反して予想外の伸びを記録しました。
本日後半は、米生産者物価(PPI)指数へと焦点は移ります。